夢の中のエイン (ページ38)

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37.天使ページ38

その後の撮影は順調で、
私もメイクを修正したりと目紛しく時間は過ぎている。

正直、もの凄く楽しい…！

ヨジャグループとは違うラインの引き方、シャドウの置き方、その一つ一つが日本の芸能人ともまた違うやり方でもっと深く参加したい欲が出てくる。

《ダメダメ！元々はここに居ないはずなんだから！》

ウジさんが終わり、ふとリョウタの方を見た。

エスクプスさんと何やら盛り上がりながらメイクを直している。

悔しいけれど、私はまだまだリョウタにセンス・技術共に劣っていると思う。

でも、だからと言って腐るつもりはない。

絶対に追いついてみせる。

《…？》

視線を感じてそちらを見ると、ミンギュくんがこちらを見ていた。

途端に花が咲くエフェクトが見えそうなくらいの笑顔で手を振ってくれる。

それが嬉しくて自然に笑みが溢れ、私は小さく手を振りかえした。

？？「知ってたの？」

「え…？」

後ろからやってきて椅子に腰掛けながら、ジョンハンさんが言った。

JH「ミンギュがアイドルだって事」

鏡越しに眠たげに見える視線が私に向く。

《ぅわ…すごい美人！天使と言われるのがわかる…》

なんて考えても手を動かしながら、私は答えた。

「いいえ…実は最近、皆さんの事を知りました」

JH「へぇー！じゃあ、ミンギュの事もずっと忘れてたんだ？」

「いいえ！随分昔ですけど、まさか他国で友だちが出来るとは思わなかったので…それはずっと覚えてました」

JH「まぁ…カラットちゃんの言う“ミンギュがミンギュした”だもんなww」

「あ、ご存じなんですね…？w」

JH「ミンギュに聞いたから〜」

「そうなんですねw」

待ち時間にかな？と不思議に思っていると、ジョンハンさんは徐ろにスマホを取り出した。

JH「それ。君のスマホ？」

「？はい、そうです」

JH「日本の人がどんなアプリ使ってるか知りたいんだけど、ちょっと見せてもらっていい？」

「え？構いませんけど…もうメイク終わりますよ？」

JH「じゃ、ちょっとだけ！ね？」

ね？って可愛らしい顔で言われると断れず、ミラーの所に置いていたスマホを渡す。

JH「お？あった♪」

と呟くと同時に私のカメラを起動してジョンハンさんのスマホに向けた。

「あの、何を？」

JH「ん？はい。この先、絶対必要になるから♪」

そう言って、スマホと一緒に少年のような笑顔が向けられた。