夢の中のエイン (ページ29)

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28.集中！ページ29

※You side.

彼に会えた夢から1日経った。

今日はハル先生がSEVENTEENとコラボ撮影をする日だ。

撮影はここから徒歩15分ほどのスタジオで、先生とユナ先輩とリョウタは事務所で撮影前の最終確認をしていた。

HR「…だから1人1人のコンセプトと全体のコンセプトがハマるように何度も確認してね」

YN・RT「はい」

HR「代打とは言え、このコラボが上手く行ったらまたお声が掛かるかもしれないから気合入れて行きましょ！
でも、楽しむ事を忘れちゃダメよ♪」

YN「私情を挟まないように気を付けます…！」

RT「先輩が暴走しそうなら止めます」

HR「よろしく頼むわw」

私は今日は別件組で、事務所で明日以降の撮影の資料を最終チェックしたり、まとめたりする予定になっている。

HR「A〜！次、ナムジャグルとの仕事が来たらアシについてもらうから、今日の撮影で出来た資料でまた勉強しましょうね♪」

「はい！よろしくお願いします！」

本当は1番一緒に仕事をしたいのはSEVENTEENだけれど、私はまだナムジャグルの経験が浅い。

もっと努力しなくちゃ…

そう思う私の所にユナ先輩がやって来た。

YN「ミンギュの様子、言える範囲で教えるね♡」

「いいんですか！？ありがとうございます！」

YN「うっふふ♪ カラットちゃんが増えたの嬉しいんだ！
これからも一緒に応援しようねー♡」

「はい♪」

先輩が嬉しそうに離れて行くのを見て、

純粋な気持ちのカラットさんではない私はちょっと罪悪感が生まれた。

《先輩の推しがミンギュくんじゃなくてよかった…》

自分の黒い部分が出て来たようで複雑な気持ちになる。

RT「お前、SEVENTEENのファンなの？」

「うわっ、びっくりした！何、いきなり？」

RT「いや、先輩が一緒に応援しようとか言ってたから」

「あぁ、この前、先輩が行ったライブで2日目にお友だちが体調崩したからって誘ってもらったの！」

RT「ふーん…で？誰に惚れたの？」

「ほ、惚れたって！皆、ものすごくカッコよかったよ！」

RT「そう…」

「何？何かすごい不満そうだけど」

RT「別に？じゃ、俺も行くわ」

「…？はーい、いってらっしゃーい」

私は3人を送り出してから、自分の仕事に取り掛かった。

「あ、このチークカラー、ミンギュくんに合いそう…持っていかなかったんだ」

あの日の夢の中の彼がよぎる。

「ダメだ！自分に出来る事からきちんとこなさなきゃ！」

今は目の前の自分の仕事に集中する事を心掛けた。