無自覚ヤンヘラ製造機

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大橋を後にした私は建物の屋根を飛び越え、忍者さながらに移動していた｡
これはSASUKEに参加しても大優勝｡

本来なら人目についたら行けないから普段はこんな移動方法しないんだけどね｡

『30分くらいで到着するけど、この時間は有効活用したいな』

ことある事に悠仁君殺そうと画策されるのも面倒だよね、と思いながらスマホを取り出す｡
上層部の情報をいち早く横流ししてくれそうな人･･･｡

『直哉君、はダメか』

禪院家次期当主である禪院直哉君｡
ひっじょ〜に男尊女卑思考の強い人で他人を煽る割には煽られ耐性のない人。まぁでもあの禪院家で育ったらそりゃ捻くれちゃうよね｡
それに見返りが怖いから却下。

『冥ちゃん･･･ギブアンドテイクで取引できそう』

お金の味方、と断言している冥冥ちゃん｡
彼女は報酬次第でどちらにでも付くから金額次第では情報を横流ししてくれそうだ｡
それに忙しすぎて特級呪術師として貰える給与も持て余してるし、中々の名案なのでは？と思い冥冥ちゃんに電話を掛けた｡

いつかの悟君のようにワンコールで出てくれる｡
･･･皆暇なの？

『冥ちゃん、久しぶり！今時間大丈夫？』

〈君からの連絡なんて珍しいな。もちろん大丈夫だよ〉

了承も得たので今までの経緯を説明。

上層部にバレることを考えると冥ちゃんにとっては結構リスキーな取引なので『無理して情報を得ようとしなくても大丈夫。1個の情報につき最安300万。内容によっては値段釣り上げてくれて大丈夫』と提案してみた。

〈取引内容については理解した。が、報酬は別に要らないかな〉

思いもよらない返答に思わず『え"』と声を出してしまう｡
失礼だけど、通話相手は本当に冥ちゃんなのだろうかと疑った程だ｡

〈他に欲しいモノがあるんだよ。そうだな･･･Aの時間が欲しいかな〉

『え？それだけ？本当にお金じゃなくていいの？』

〈構わない。ただしその時間は完全に私のモノになってもらうけど、いいかな？〉

『いいよ、それで』

私の返答に冥ちゃんはクックッと満足そうに笑っている｡
満足のいく回答が出せれて何よりです｡

〈全く君は危機感が足りない･･･そこが可愛いんだけどね。それじゃあ生徒達の応援頑張って〉

冥ちゃんから発せられた「危機感が足りない」という言葉を後に身をもって思い知るという事を、この時の私はまだ知らなかった｡

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直哉君の名前入れたかっただけだし冥ちゃんとの絡み入れたかっただけの回

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