残酷童話2 ページ22
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血の涙を流しながら、彼女は亡国をヒタヒタと進み始める。
彼女は何度も歩みを止めては、何度も自害を図った。
だが、彼女は死ねなかった。
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そんな絶望の渦中、とある男が姫の前へ現れる。
「この国を、この有様に仕立て上げたのは貴様か＿＿?」
姫は声の主の方へ身体を向けると、透き通るような金色の髪に、紅く、赫い、ルビーの瞳を輝かせた男が立っていた。
「………わたくしが＿＿?
……ええ、きっと…そうなのでしょうね。
わたくしがこの国を、この様な有様にしてしまったのでしょう……」
姫は、力なく言い放つ。
自分が愛したこの国を、『滅ぼした』と。
本当は解っていたのです。
王子の気持ちに。
王子の想いに。
「わたくしが、あの方の想いに応えていれば…。
今のままの関係を壊したくない、などと傲慢な気持ちのままでいたから……こんなとに……」
どんなに嘆こうが、どんなに後悔しようが、男は何のことか解らなかった。
だが、男は解ろうとすることもなく、姫に告げる。
「貴様、死にたいか＿＿＿?」
その言葉に、姫は男へ縋るように、懇願する。
「死にたいです。
殺してください。
こんな大量殺人を犯した大罪人は、生きていてはならないのです。
命は、何度も絶とうとしました。
ですが、死ねないのです。
わたくしは死ねないのです……」
姫は再び血の涙を流しながら泣く。
死にたいのに死ぬことが出来ない、と叫びながら。
「そりゃ貴様、『鬼』だからな。
もしや貴様、元人間の女子か。」
＿＿＿思いもよらぬ言葉が発せられた。
『鬼』『元人間』
「どうした、どうした。
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をして。
……やっと気づいたか。
貴様がもう＿＿＿＿“人間ではない”ことに。」
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お主、名は何と申す。
＿＿＿＿＿＿ルナ。
ルナ、月という意味か。
言い名ではないか。
＿＿＿＿＿＿この名前は、父上と母上から授かったもの…。
わたくしには、もうその名で呼ばれる資格はありません。
では、儂が名を授けようか。
＿＿＿＿＿＿どうぞご自由になさってください。
………では、月の夜とかいて、ツクヨ。
『月夜』はいかがかな?
＿＿＿＿＿＿良いでしょう。
では月夜、共に行こう。
絶望しか生まぬ人間へ、制裁を降しに。
悲しみしか生まぬ人間共へ、絶望を与えに＿＿＿
Seven trumpets -終焉を告げる天使のラッパ-/N→←残酷童話 ※修正
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しのぶ(改)(プロフ) - 唯苳さん» コメントありがとうございます！お褒めに預かり光栄でございます！夜分ではありますが、更新致しましたので、お時間ある時にぜひ読んで頂ければ幸いです。これからも精進して参りますので、どうかよろしくお願い致しますm(_ _)m (2018年5月5日 0時) (
レス) id: 3f40e942ad (このIDを非表示/違反報告)
唯苳 - あまりにも面白かったので一気読みしてしまいました！続き楽しみにしてます+(0ﾟ・∀・)+ (2018年5月4日 10時) (レス) id: c5df0cdbc9 (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ(プロフ) - 美唯さん» コメントありがとうございます。とても励みになりました。更新致しましたので、またお読みいただけたらと思います！ (2017年6月9日 2時) (レス) id: a1166eb5da (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 続き読みたいです (2017年5月29日 18時) (レス) id: 9da5bd590f (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ(プロフ) - まなぱん*anさん» まなぱんさん、お久しぶりです！コメント出来ずすみませんでした(´；ω；｀)やっとそろいましたよ〜！やっとスタートラインに立ったって感じですかね。笑 これからも彼らの物語を見守ってやってください！ (2016年5月27日 23時) (レス) id: a1166eb5da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しのぶ(改) | 作成日時：2015年12月31日 16時
