敬遠の仲? ページ3
「今日はどっちが早かったの〜?またレンっち?」
と、聞く。
……さすがにそれは察しよう?
僕はもう苦笑が止まらない。
いや、その気力すらももうなくなってきた。
だって言う?それ。普通に聞いちゃう?見て?
藤井さんを泣きそうになってるよ?めっちゃプルプル震えてるよ?
いつも藤井さんが僕に負けてるの知ってるから藤井さんが
僕に負けてるの気にしてるのも知ってるよね?
なのに……なんかもう藤井さん可哀想だよ。しかも
「うっ…うっさいわよ‼べ、別にそんなのどうでも……」
と反論しようとする藤井さんに容赦なく
「え〜。ていうことはまたまたレンっちの勝利?
またまた美和ちゃん負けちゃった?」
という傷口を抉るような言葉をかける。
しかも「慰めてあげようか?」なんて言っている。
藤井さんはもう少しで本気で泣き出しそう。
「てっ、ていうか!しょ、正直いって私はただ負けてあげてるだけというか
…勝ちを譲ってあげているだけで……」
「負け惜しみ〜?」
「違うわよ‼」
二人のケンカ?は終わりそうにない。
というか、よく朝からそんなテンション上げられるな……と感心(ほとんどは
呆れと藤井さんへの憐れみ)しながらも二人を見ていると
「……バカ二人と幽霊君だ…」
という声が聞こえた。
「………………」
今、聞こえちゃいけない声が聞こえた気がする。
けどどうせ幻聴だよね。二人も全く声した方向こうとしないもん。
幻聴か。うん、そうだ。
僕はそう自分の中で幻聴として片付けると、二人に目を向ける。
藤井さんも少女も黙ってる。あぁ、けど少女はどこから
取り出したのかわからない棒つきの飴を舐めている。
まぁ、鞄から取り出したんだろうけど…
彼女は奥村 花。五番。
明るく元気で表情豊な為皆の人気者。けだるげにしていることが多く
めんどくさいことがあんまり好きじゃない。印象からか
バカに見られがちだが意外に常識人で成績も一応平均よりちょい高いぐらい。
自称朝型らしく朝来るのは早い。
僕と藤井さんそして奥村さんは皆から朝型トリオと呼ばれている。
なぜ朝来るのが早いからといって朝型になるのか意味不明だったので前に皆に
聞いたら『えっ?君なに言ってんの?』的な顔を全員にされたので
もうそのことにはつっこまない。
あと、一応言うといつも来る順は決まっていて一番最初に僕、次に藤井さん、
奥村さん、その他の順番だ。まぁそんなことより、と小さくため息をついた。
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作者名:ユウキ アヤネ | 作成日時:2018年7月1日 21時