始まりの中の終わり (ページ2)

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5月ページ2

窓からこぼれる太陽の光と、チュンチュンと朝を告げる鳥の鳴き声で、目が覚めた。

なんだか、最近同じ夢ばかりを見る。

この世界に戻ってきたのはつい最近。
あの日のこと。
大好きだった人と再開し、大好きな人たちと別れた日。

「眩しっ…」

___部活行かなきゃ。

ジャージに着替えて下に降りる。
既に起きていたクラスの学級委員、佐賀絢香こと、さっちゃんが朝ごはんを作っていた。

「はよ、」
「おはよう、よく眠れた？」
朝一番の一言目にして、育ちの良さを見せる彼女はもちろんお金持ちのところのお嬢様だ。
さっちゃんは毎日朝早く起きて、朝練の人を把握して人数分の朝食を作っている。
「きょーのご飯なぁに？」

「今日は、フレンチトーストよ、」
ジュージューと卵と牛乳を混ぜた液をたっぷりと染み込ませたパンがフライパンの上で踊っている。
「ひとつ出来たので、食べていいわよ？」

「ありがとっ！」
私がよだれを垂らしそうになるほど見ていたのが原因か、ひとつフレンチトーストを渡してくれた。
フォークとナイフ、バターと砂糖を手に取って席につくと、テーブルにはオレンジジュースとぶどうジュース、りんごジュースが置いてあった。
私の好きなオレンジジュースを手に取ってコップに注いで朝ごはん、
「いただきます」

「はぁい」
ふわふわのフレンチトーストに、バターと砂糖を付ける。
あったかいためバターが溶け美味しそうだ。
一口大に切って口へと運ぶ。
「あふっ、…………うまっ、」
牛乳と卵の自然な甘みと砂糖とバターのこってり、theシュガー感が見事にマッチして、とても美味しい。
この美味しさを作れるのはさっちゃんだけだろう。

「おはょぉ……」
眠いまぶたをこすって、起きてきたのは同じ部活である男子、
山形海が出てきた。
私と同じように「今日のご飯は？」と聞く姿に少し笑ってしまった。

少ししてからフレンチトーストを持って私の前に座った彼。
「おはよ、」

「んんー！」(はよ！)

「食ってから言えよってwww」

「んんー！www」

ふわふわのフレンチトーストがどんどん減って最後の一口。

「ごちそうさまー！」

「お粗末さまでした」
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「郁芽、今日はなんか遅くない？」

「そ？」

「うん、寝過ごした？」

「いやぁ、ボケっとしてた？」

「なんだそらwww」

私はボールがラケットのど真ん中を当たって相手が取れなかった時のあの快感がすごい好きだ。

「部活終わりー！片付け！」