知らない君 ページ20
・
「____ただいま」
疲れて帰って寮の扉を開けるとお馴染みの香りはしない。
(……NOカレー、キタコレ)
さすがに4連続はきつかった。
いや、美味しいんだけどね?微妙に味も違って美味しいんだけど、そうは言っても続くとね。
「あっ至さん!」
「なに?」
帰ってくるなり綴に呼び止められた。
「至さんってAさんと同じ大学だったんですって!俺聞いたときびっくりしちゃいましたよー」
「Aさん?」
「あ、青井先生です!今日偶然会って話して。Aさんは至さんのこと知ってるみたいだったんですけど、至さんの方は自分のこと知らないだろうって言ってて……至さん本当にAさんが同じ大学にいるって知らなかったんですか?」
(……は?)
ちょっと待って、意味わかんない。
知らぬ間になんでそんなに仲良くなってんの。前に嬉しそうにサイン会の話をしてたときは青井先生って言ってたのに、今では名前で呼ぶような仲になってるみたいだし。
でもそれよりAは俺のこと知ってるけど俺はAのこと知らないって、なに?
そんなのあるわけないだろ。
だいたい大学時代から付き合ってんだし……まじでどういうこと。
「綴それ本気で言ってる?」
「本気って……そうA先生言ってましたけど、違うんですか?」
「……ちょっと出てくる」
「えっ?今帰ってきたんじゃないんすか?」
「急用」
もと来た道を戻って車のエンジンをかける。
(あー……っくそ)
A、どうなってんの?
いつから俺はAにとってそんな遠い存在になっちゃったわけ?
綴に付き合ってるって知られたらまずいの?そういえば編集の人にも言ってないみたいだった。そんなに俺と付き合ってるの嫌だったの?
俺はどんなに嫌がられたって手放す気なんて欠片もないんだけど。
どういうことだよ。
訳が分からなくてイライラして、スピードを上げた。
338人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がまずみ(プロフ) - 架月*さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけるように頑張ります。 (2017年6月13日 17時) (レス) id: 34bae0cedc (このIDを非表示/違反報告)
架月*(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年6月13日 7時) (レス) id: 6bbbbd55e1 (このIDを非表示/違反報告)
がまずみ(プロフ) - 霜月奈夢さん» 教えていただきありがとうございます。以後気をつけます。 (2017年5月30日 22時) (レス) id: 34bae0cedc (このIDを非表示/違反報告)
霜月奈夢(プロフ) - オリフラが外れていません。違反の対象になります。 (2017年5月30日 21時) (レス) id: 93625887de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:がまずみ | 作成日時:2017年5月30日 0時