検索窓
今日:16 hit、昨日:18 hit、合計:333,972 hit

53. ページ3

点滴だけでは栄養不足になってしまうので、簡単にご飯を作ろうと思う。

この前一虎が作ってくれたお粥美味しかったな…と思い、真似たものを作った。

『そういえば、イザナ。親に連絡しないの?』

「親?いねえけど」

『家は?』

「ない。7歳くらいから施設。最近までは年少」

…そっか。彼も私と同じで孤児だったんだ。


『じゃあ、今日から此処が君の帰る場所だね』

「…お前は俺が怖くねェの?」

アメジストの瞳が不安げに揺れる。

『怖くないよ』

イザナのことはまだ何も知らないけど、きっと境遇が恵まれなかっただけだと思うんだ。

まあ、ちょっと過激な部分もあると思うけど…。


『独りぼっち同士、仲良くしようよ』

「……」

『人間って、独りじゃ生きてけないんだよ。

私も最近になってやっと気がついたことなんだけどさ』


" 孤独 "

現代の私には、この言葉がぴったりだった。

私の世界には、私だけ。

自分のことだけを考えていれば良い。

寂しくなんかない。むしろ、自ら孤独であろうとした。


…しかし、ここで初めて人の温かさに触れた。

触れた拍子に、思わず泣き出してしまいそうな。

歪んで傷だらけのココロに、薬が塗られたようだった。

" 独りは怖い "

…どうせ、死ぬときは皆んな独りなのに。


『改めて、よろしくねイザナ』

「…ガキ扱いすんな」

頭を撫でたらそう言われたが、手を払わないあたり、満更でもないんだろうな。

54.→←52.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (534 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2645人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夢花第二号(プロフ) - 最後びっくりしすぎてスー◯はるさめの坦々麺味が気管に入った…喉痛ィ… (2022年2月10日 16時) (レス) @page50 id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
- ああああー!しんどい!泣く!!けどめちゃくちゃすき!!更新応援してますー! (2022年1月15日 0時) (レス) @page50 id: 20a21f2625 (このIDを非表示/違反報告)
モコロ - この作品面白いーー!!!ああーー!!(?)ケンチンーー!!!死ぬなーー!!!ああーー!!←(うるさい)更新頑張ってくださいーー!!主人公助けてーー!!!タケミッチー((((うるさい) (2021年12月28日 11時) (レス) @page45 id: 9584a9e843 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - もしやその心臓…ドラケンにかな (2021年12月8日 4時) (レス) @page38 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
ワカメチャン - ドラケン…ドラケンンンンンンンン! (2021年12月5日 23時) (レス) @page37 id: bf3a83fab0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:柊楓 | 作成日時:2021年10月15日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。