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点滴だけでは栄養不足になってしまうので、簡単にご飯を作ろうと思う。
この前一虎が作ってくれたお粥美味しかったな…と思い、真似たものを作った。
『そういえば、イザナ。親に連絡しないの?』
「親?いねえけど」
『家は?』
「ない。7歳くらいから施設。最近までは年少」
…そっか。彼も私と同じで孤児だったんだ。
『じゃあ、今日から此処が君の帰る場所だね』
「…お前は俺が怖くねェの?」
アメジストの瞳が不安げに揺れる。
『怖くないよ』
イザナのことはまだ何も知らないけど、きっと境遇が恵まれなかっただけだと思うんだ。
まあ、ちょっと過激な部分もあると思うけど…。
『独りぼっち同士、仲良くしようよ』
「……」
『人間って、独りじゃ生きてけないんだよ。
私も最近になってやっと気がついたことなんだけどさ』
" 孤独 "
現代の私には、この言葉がぴったりだった。
私の世界には、私だけ。
自分のことだけを考えていれば良い。
寂しくなんかない。むしろ、自ら孤独であろうとした。
…しかし、ここで初めて人の温かさに触れた。
触れた拍子に、思わず泣き出してしまいそうな。
歪んで傷だらけのココロに、薬が塗られたようだった。
" 独りは怖い "
…どうせ、死ぬときは皆んな独りなのに。
『改めて、よろしくねイザナ』
「…ガキ扱いすんな」
頭を撫でたらそう言われたが、手を払わないあたり、満更でもないんだろうな。
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夢花第二号(プロフ) - 最後びっくりしすぎてスー◯はるさめの坦々麺味が気管に入った…喉痛ィ… (2022年2月10日 16時) (レス) @page50 id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
あ - ああああー!しんどい!泣く!!けどめちゃくちゃすき!!更新応援してますー! (2022年1月15日 0時) (レス) @page50 id: 20a21f2625 (このIDを非表示/違反報告)
モコロ - この作品面白いーー!!!ああーー!!(?)ケンチンーー!!!死ぬなーー!!!ああーー!!←(うるさい)更新頑張ってくださいーー!!主人公助けてーー!!!タケミッチー((((うるさい) (2021年12月28日 11時) (レス) @page45 id: 9584a9e843 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - もしやその心臓…ドラケンにかな (2021年12月8日 4時) (レス) @page38 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
ワカメチャン - ドラケン…ドラケンンンンンンンン! (2021年12月5日 23時) (レス) @page37 id: bf3a83fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊楓 | 作成日時:2021年10月15日 12時