初めまして、命の恩人です。【東卍】

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「命の、恩人……」

『普段は人助けなんてしない。数十億の手術代を払える患者だけ治療してる。
こっちだって精神すり減らして手術してるんだから相応の対価だよ。

…でも、君は死ぬべきじゃないって思った。だから助けた。』


「……へえ、。とりあえず、アンタのおかげで助かったわ！ありがとうな！」

そう言って彼は八重歯を見せて笑った。

…こういう人種は初めてだ。どう接すればいいんだ。

『…………おうよ。…長生きしろよ、(？)』

振り絞った返事がこれ。殺してくれ。


『いい？１週間は此処で様子見るから、家には帰せない。それと、君の親に連絡するから電話番号教えて』

すると「？」を浮かべる場地くんと「あ、場地ん家の電話番号はね…」と場地家の電話番号を教えてくれる羽宮くん。……うん。何で？

深く追及しない方がいいと判断した私は何も聞かず、羽宮くんに教えてもらった番号に電話をかけた。



『初めまして。場地圭介くんのお母様ですね？
私、内藤クリニックの佐藤と申します。息子さんですが、怪我が酷かった為当院で手術させていただきました。今では快方に向かっております。

また、お見舞いに関してですが、インフルエンザ感染予防対策の為、全ての患者様のご家族にお見舞いをお断りさせていただいております。ご心配される気持ちは重々承知しておりますが、ご協力のほどよろしくお願い致します…。

１週間後には退院予定ですので、こちらでご自宅まで送迎させていただきます。治療費は保険適用内でしたのでご心配なく。では、失礼いたします』

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