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一虎side

Aからの電話を切り、急いで学校を抜ける。

廊下を走っている途中センコーから何か言われたが、今はそれどころじゃねェ。


「Aッ…!」

『…わ、ほんとにすぐ来てくれた』

安心したように、力なく笑うA。

医療服だけでなく顔や手にも血が付いており、"血、似合わないな…"なんて考える。

「とりあえずソファに…」

『…くすり、取って…。机の上にある…』

……は?クスリ?

「クスリは、駄目だろ…。早死してェのかよ…?」

『…市販の風邪薬だわ、バカ』

なんだよ紛らわしい言い方すんな。


薬を飲む前に何か食べさせないと…と思い、簡単に卵粥をつくる。我ながら上手くできた。

薬を飲ませたあとは濡れたタオルで血を拭き、ソファに寝かせる。もちろんブランケットも忘れず。

『お母さんいたらこんな感じなのかな…』

「おいコラ、勝手に母親ポジにすんな」

そういや、両親いないんだっけ。Aから家族の話を聞いた事はなかった。

まあ、俺も話さないからお互い様なんだけど。


『…ありがと。一虎いないと生きてけないわ、私』

そう言って眠りにつくA。

「………」

…そんなこと、言われたことなかった。

嬉しい反面、心許ない。


この人の隣に居る資格が、俺にはあるのか。

壊すことしか出来なかった俺に居場所を与えてくれた。

一緒に居れるだけで心地良かった。

それだけでもう、充分なのに。



「………好きだ。」

こんな感情、知りたくなかった。

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❄Snow moon🌙 - たまっちのwwぷちぷちおみせっちってwwwたまごっちwwwwこれは笑うww (2021年12月15日 15時) (レス) @page25 id: 844d47e37e (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - たまごっちのぷちぷちおみせっちwwwww (2021年10月24日 11時) (レス) @page25 id: 53959ad895 (このIDを非表示/違反報告)
柊楓(プロフ) - 43 −ヨミ−さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!引き続きこの作品をよろしくお願いします^^ (2021年10月16日 13時) (レス) id: 1c621d8fd5 (このIDを非表示/違反報告)
43 −ヨミ−(プロフ) - コメント失礼致します(*ˊˋ*) 夢主の設定や物語の展開がとても魅力的で、最初の方から読ませて頂いていました。 続編おめでとうございます、更新何時もお疲れ様です(´˘`*) (2021年10月16日 6時) (レス) @page50 id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
柊楓(プロフ) - 夢花さん» はい!かっこいいですよね^^ (2021年10月15日 20時) (レス) id: 1c621d8fd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊楓 | 作成日時:2021年9月10日 2時

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