初めまして、命の恩人です。【東卍】

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場地くんをみて固まっている松野くん。

まあ、死んだ人が生きているというファンタジー展開に頭が追いつかないのは無理もない。

積もる話もあるだろうし、2人にさせてあげよう。


『羽宮くん、夕飯作り手伝ってくれる？』

「…うん」


最近冷えてきたから、今日は鍋にしたいと思います。

『おお、羽宮くん手先器用だね』

手順を簡単に説明すると、慣れた手つきで野菜を切り始めた羽宮くん。

「別にこれくらい普通だろ…」

『そんなことないよ。私が中学生の時なんか、料理なんてした事なかったもん。


……世の中の女子が皆んな料理得意だと思うな？』


「えー、俺は柊サンの作ったご飯好きだけど」

そう言って笑う羽宮くん。
……彼の笑顔を初めて見たけど、


『若い子の笑顔眩しい…』

「何言ってんの、そんなに歳変わらないじゃん」

『そうだけど、そうじゃないんだよ羽宮くん…』

いくら容姿は若返ったと言えども、なんていうか…滲み出るフレッシュさが違う……。



『そうだ、羽宮くん。今度、食器とか揃えに行こうよ。他にも色々と必要なもの揃えたいし』

「一虎でいいよ。俺もAって呼ぶ。

…Aはさ、何で俺にそこまでしてくれんの？」


『うーん、何でかなあ…。強いて言うなら気まぐれ？

一虎が良ければさ、私の家族ごっこに付き合ってよ』

自嘲的な笑みを浮かべながら聞くと、彼はリン…と鈴のピアスを鳴らして言った。

「いいよ。面白そうだから付き合ってやる」

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