61話 ページ25
明後日。
指定された時間に同期達と秀一さんとで、懐かしい警察学校へとやって来た。
校門前で待っている人影は、昔と変わりなく、見覚えのある男の先生。よくお世話になっていた斎藤先生だった。
「斎藤先生!」
「よおお前ら!久々だな!元気にしてたか〜?」
「見ての通り!俺らの活躍聞いてる?」
「生意気にデカくなったなぁ萩原!お前らの噂はよーく聞いてるぞ!」
「撫でんなってーの!ガキじゃねえんだから!」
「音信不通になってた奴らも来てくれて何よりだ!……と、そっちが遠山の?」
「本日はお世話になります。赤井です。」
10年ぶりほどにあった斎藤先生は、ずっと変わり無いようで安心した。
情に厚く、厳しいけれど生徒からの人気も高い方で、授業以外では朗らかな人であった為、いつもこの人の周りには沢山の生徒がいたものだ。
「連絡が急になっちまって悪かったな。」
「今日はみんなオフなんで大丈夫ですよ。」
「…ありがとな。とりあえず話は中でだ。講習と、実技の訓練もしてやってくれ。その辺は中で詳しく説明しよう」
久しぶりに警察学校内へと入る。
懐かしい匂いが鼻を掠めた。10年経ってもここは変わりないようで、懐かしくて、何処か安心する。
まあところどころ工事でもしたのか新しくはなっていた。けれども鼻をかすめるこの匂いは変わりはない。
「あ、見てみろよ松田、俺とお前が身長測ってた柱じゃん。隣に伊達が測ったのもあるけど、でっけえな…」
「うわ本当だ。そのままなんだな」
「おお!懐かしいな!」
「零!A!見ろよこれ!お前ら2人が手合わせした時の壁!ちょっと凹んだまま!」
「それは言わないで」
「言うな緑川。」
「ホォー、やんちゃだな」
廊下を歩いてるだけでこれなので、斎藤先生がおかしくなったのか笑い出した。
楽しそうで何よりだと笑う先生に少しはしゃぎすぎたかと恥ずかしくなる。
「てか遠山と降谷と緑川。お前らなんで音信不通になったんだ?」
「ちょっと言えないとこに所属してまして」
「同じく」
「零とAに同じく!」
「…何となく察したからいいわ」
その辺に理解がある為、それ以上は何も追求してこなかった斎藤先生に感謝する。
空き教室になっている部屋に通されて、入ろうとした瞬間、一瞬だけ視線を感じた。
「A?」
「…いや、なんでもない」
ほんの一瞬だったから、気のせいだったのだろうか。
後ろ手で扉を閉め、そこからは講習会の打ち合わせが始まった。
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ちゅん(プロフ) - 番外編みたいです(;_;)パスワード知りたいです( ; ; ) (2021年3月7日 14時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
闇月 - イラストが最高で思わず保存したいと思ってしまいました! (2019年9月25日 19時) (レス) id: ceaacc411b (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - なんかもう理想すぎるストーリーが見つかってまだまだこれから頑張れる。ありがとうございます。これからも頑張ってください。 (2018年4月28日 12時) (レス) id: 6434e4011a (このIDを非表示/違反報告)
まさき(プロフ) - 蒼衣さん» こんにちは!いきなりごめんなさい…。用件は下の私のコメントと同じです。よかったら見てみてください! (2018年4月22日 22時) (レス) id: 8f71bf94c7 (このIDを非表示/違反報告)
まさき(プロフ) - 湊叶さん» こんにちは。突然すみません!パスワードなんですが、作者さんの作品一覧のページのコメントを見ると書いてありますよ!脇から失礼しました! (2018年4月22日 22時) (レス) id: 8f71bf94c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2017年10月23日 18時