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・中也視点
「えっ!?この子お兄ちゃん何ですか!?凄く似てるから隠し子かと思ってたんですけど」
「……兄貴、また何かに巻き込まれたのか」
「通りで連絡返って来ない訳だよね。ひゃ〜其れにしても可愛い〜〜」
取り敢えずAの弟の合鍵で部屋に上がった後、事の経緯を太宰が説明したらあっさりと、逆に此方が心配になる位に二人は信じた。
太宰と顔を見合わせてこんなホイホイ信じて大丈夫か?とお互いに思う。
「あの…こんな事云うのも何だけれど、何でそんなあっさり信じるんだい?」
「え?太宰さんの事はお兄ちゃんからよく聞いてましたし、然も武装探偵社の社員さんなんでしょう?
噂はちょくちょく此方でも耳にはしてますよ!異能力集団だとか何とか!」
「まあ其れに横浜ですしね。俺達偶に横浜に遊びには来てたんですが、何回もビルが爆発したりするのは見た事ありますし」
………偶にしか遊びに来ないくらいの奴らが、こんなにも慣れる程にそう云う事に遭遇したり目撃したりしているらしい。思わず頭を抱えた。
Aも相当だが、下の弟妹も中々の肝の座りようというか、「横浜だから」と納得する辺り、同じ血が流れているのを感じる。
今現在は、希という子に抱き抱えられているAはオドオドと落ち着かない様子だった。
「ほ、本当に、のぞみといつき…?」
「本当だよ〜〜!お兄ちゃんの小さい頃は写真でしか知らないけど、可愛いねえ。良かったじゃん樹、此れ位小さいお兄ちゃんだったら何時ものツンギレも発揮しないでしょ」
「誰がツンギレだコラ」
何時もは恐らくは二人を溺愛するであろう立場のAが、下の弟妹に可愛がられている光景は微笑ましかった。
偶然とは云え遊びに来た訳だ。買い出した財力は三人分しか無く、太宰に「外で食うか」と伝える。
「折角来てくれたのに悪ィな。Aがこうなっちまったから俺らで暫く世話するンだ。
詫びと云っちゃなんだが、丁度飯時だろ?外で好きなモン食わせてやるから遠慮すんなよ」
「え!?いやそんな、悪いですよ、えっと…」
「中也でいい。俺もAとは友達なんだ。宜しく頼む」
出来るだけ怖がらせない様に笑えば、二人も同じく笑顔を返して来た。
「兄貴は何食べたい?」と弟の方が聞いて「ハンバーグ…」と小さく答える。そうだ、買ってきた材料は本来は其れだったのだ。
「じゃあ、ハンバーグが美味しいところに」
……A。お前の弟結構、お前の事好きなんじゃねえかな。
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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
或 - どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2019年2月15日 19時