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・太宰視点
Aを抱っこしながらAの家へと中也と共に向かう。
中也は如何やらAの要望で、ハンバーグの材料を購ってきたらしい。
矢ッ張りAも子供の頃はちゃんと子供だったようで、思わず顔の頬が緩むと中也から「気色悪ィ」と罵倒されたが無視した。
もうすぐAの家の扉の前に着くというとき、扉を叩く音と、二人くらいの話し声が聞こえた。
「あれー?お兄ちゃん居ないのかなあ。連絡返ってこないし……」
「前兄貴から貰った合鍵あるから、居なさそうだし先にお邪魔しとこう」
「お、樹ナイス!荷物持ってて!開けるから!」
良く似た顔をしている少年と少女が、Aの家の扉の前で話している。
鍵を取り出した少年が、少女に鍵を手渡した時に丁度、私達の存在に気付いて二人揃って此方に視線を向けた。
……本当に良く似た顔だった。Aと同じで。
「………あれは…」
何でこんな日に。
隣の中也は首を傾げていて、Aも同じく首を傾げていた。
私は彼等を知っている。何故なら─────
「ああーーーーーッッ!!!!」
此方を、というよりは私の事を指差しながら少女は合点がいった様に叫んだ。
「近所迷惑だ、黙れ希!」と少年が希と呼んだ少女に拳骨を食らわせる。
「樹痛いっての!!って其れどころじゃない!」
つかつかと此方に近寄ってきた少女は、「若しかして太宰さんですか!?」とAと同じ顔で朗らかに笑うのだ。
同じく後ろからやって来た青年は、ぺこりと私達に頭を下げる。
「君達、矢ッ張りAの弟君と、妹ちゃん…!?」
「………ええええ!!??そっくりな顔してると思ってたが矢ッ張りか!!?」
「うわー!矢ッ張り生太宰さんだ!写真で見るよりずっと美人!綺麗!格好良いですね!」
「希辞めろ!初対面の人だぞ!引かれるだろうが!!」
二度目の拳骨を食らって頭を抑える希ちゃんと、やれやれといった感じで再度頭を下げて来た樹君。
私もAの過去を調べた際に見た写真と、A本人から聞いていただけで、実際の姿を見るのは初めてだったが──成る程、良く似ている。
「あたた…ごめんなさい。お兄ちゃんの事だから私達の事は話してると思いますが、私は渡瀬
「渡瀬
怒涛の展開に、何故この子達が今この場に居るのかというのはさておき、私に抱えられているAは、二人の姿と名前を聞いて、迚も驚いている様子で固まっていた。
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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
或 - どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2019年2月15日 19時