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・太宰視点
「結論から云うと、この事態の犯人は捕まってはいるんです。名前は和泉秀貞。元々武器商人をやっていた男だった様です」
安吾から差し出された写真には中年の細身の男の写真だった。
じい、とAもその写真を覗き込むが、「誰?」といった感じで首を傾げる。
「和泉が使っていたのは、『撮った相手を、自分の人生の転換、または大きく変わった出来事の時期に姿を戻す』効能があるこのポラロイドカメラです」
「……随分と古びてるね。年代としては結構昔かな?」
「意外とこういった類の物は一般民家から出て来ることもあるんです。その回収も私達の仕事です」
安吾の説明はこうだ。
武器商人をやっていた和泉は一人の客からこのポラロイドカメラを譲り受けたらしい。
……武器商人の客なんて、そりゃあ真面な人間なんてそうそう居るはずもなく。何時も世話になっている和泉に餞別として渡したのだろう。
後に、そのカメラにそういう効能を知ってからは各地で被害を出していたらしかった。
カメラは撮った人間を昔の姿に戻すだけでは無く、撮った人間は、その撮られた人間の過去も分かるらしい。
「ポラロイドカメラですからね。撮られた直後には、その昔の姿が現像された写真が直ぐに出てきます。
元々武器商人として危ない橋を渡っていた男ですから、カメラを使って過去を覗き見する様な悪趣味があったとしても驚きはしません」
「家宅捜索はもうしたんだろう?どうだった?」
「……夥しい数の写真が出て来ました。どうも和泉は、他人の過去を蒐集する
蒐集家、という言葉に思わず眉を顰める。
何処の世界にだって悪趣味な輩はいるものだと思った。
脳裏に浮かぶ真っ白い男を思い浮かべたが、隣のAの姿を見て即座に脳裏から搔き消す。
「A君の写真も回収して来ました。……これは太宰君が管理した方が善いと思いまして」
「…そうだね。」
Aの過去は森さんと出会った事以外は確かに平凡だが、森さんと出会った事自体が相当な枷にも弱味にもなる。
……当然、Aの過去を知っているであろう和泉には其れ相応の罰を与える様に安吾には頼んでおいた。
……芽は摘める内に摘んだ方が善い。危害が及ぶ前に。
××××××
ぼちぼち更新出来そうです。お騒がせしました。
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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
或 - どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2019年2月15日 19時