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「おやァ、数日見ない間に今度は小さくなったのかい。太宰に聞いていた通り、アンタは厄介な事に巻き込まれるねェ」
「キャ〜〜!渡瀬さん!可愛いですわ〜〜!!」
「だ、太宰さん、この子本当に誘拐してきたとかじゃないですよね?例えば渡瀬さんの弟辺りを」
「私の事何だと思ってるの敦君」
だざいさんのお仕事をする場所に来たとたん、だざいさんがさっき連絡していたせいなのか、どっといろんな人が押し寄せてきて、だざいさんの後ろにさっと隠れる。
だざいさんみたいに、ものすごく綺麗で、カッコよくて、可愛くて顔のいい人たちがおれを囲んでびっくりする。
そしてこの人たちも、まるでおれのことを初めから知っているような感じで、未来のおれとやらは一体どんな繋がりを持っているというのだろう。
「渡瀬さんが来ると聞いて、この間のお菓子のお礼をしたかったんですけど、この姿じゃ分からないですよね。記憶も退行してるんですっけ?」
「うん。だからこの子からしたら皆初対面なのだよね。ほら、そんな詰め寄ると怯えちゃってるから。」
「でも太宰さんの後ろに隠れてますよ。もう懐かれたんですか?」
「いやー、単に私が良い壁役に最適だったからだと思うのだけれど」
だざいさん越しにちらりと周りを見たら、お菓子で釣ろうとしてるのか、飴玉をちらつかせたり、駄菓子の袋が見えたりしている。
お菓子だ、とつられそうになるが、どちらかといえば怯えの方が勝ってしまって、だざいさんの後ろにそのまま隠れていた。
「もー、餌付けしようとしないでくれ給え。まあ其れよりも怯えてるから釣られなかったのは賢明な判断だけれど」
だざいさんが大丈夫怖くないよとは云うので、悪い人たちではないのだろうけど。
すると気付かない間に横に誰か来ていた気配がして、横を見たら、ものすごく怖い顔をしている、あの日、森先生の側に居た人が居た。
「ひえっ」
ものすごくびっくりしてだざいさんの背中にしがみ付く。
何でここに居るのだろう、とか、そんなのは今頭の中になくて、ささる視線がこわくて夢中でだざいさんの背中に抱きついて離れられなかった。
「社長。怖がらせないでください」
「…否、怖がらせる心算では…」
「あ〜社長が怖がらせた〜」と誰かの野次が聞こえてきて、横目にちらりと見たその人は、少ししょんぼりして居るように見えて、申し訳なくなった。
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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
或 - どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2019年2月15日 19時