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・樹視点

目の前の怪しい男が兄貴に向けて手を伸ばそうとした時、その手を弾いたのは希だった。
本当は兄貴を抱き締めて、手が塞がっていなかったら俺もそれくらいしていたのだが、我慢ならなくなったのか、何時の間にか中也さんの後ろから出て、俺と男の間に割り込んでいた。

「…手癖の悪いお嬢さんですね。」

「手も足も出るわよ、足も追加でやった方が良かった?」

「其れは御遠慮願いたいですね。見た目通りぼくは貧弱ですので、女性の蹴りでも危ういんですよ」

気の所為か、男と希の間に火花散っている様に見える。
「の、希…」と俺が声を掛けても希は無視だ。否、聞こえてないのかもしれない。これは相当怒っている。

「お兄ちゃんの友達だとか何だか知らないけれど、何かあんた信用ならないから触らせない。というか触らないで。
全面的に胡散臭さが出てる!お兄ちゃん良く変な奴らに好かれるけど、同じ胡散臭さでも太宰さんのが未だマシよ!」

「え!?何か私までディスられた?!」

ついでに被弾した太宰さんが喚くが、希は御構い無しだ。後ろの中也さんは如何やら笑いを堪えている様子だった。

「云っておくけどねえ!目の前で兄が訳の分からない男に誑かさ…失敬。言い寄られてるの見て私が何も云わないと思った訳!
甘えんじゃないわよ!日本人女が謙虚だとかそういうのはもう古いわよ!バーカバーカ!お兄ちゃんお腹空かせてるんだから早々に何処か行きなさいよこの貧弱男!」

罵倒は年相応の中学生らしい、否、このレベルだと小学生レベルの罵倒を男にぶつけるが、男は呆気に取られていた。
只、最後の貧弱男は割と効いたのか「貧弱男……」とポツリと呟く。太宰さんも如何やら笑いを堪えていた。

「……顔はそっくりですが、Aの妹御とは思えない程ズバズバ云いますね…」

「残念でした!中身は正反対だからね!因みに家事レベルも女子力もお兄ちゃんに負けてるわ!」

「希、其れは威張って云う事じゃない」

希に少し冷ややかな目を向ける男が「ふむ、」と呟いた時、太宰さんが後ろから男の肩を叩く。

「その子はAの大事な子だ。何か危害を加える心算なら、君は一生Aに恨まれる事は、勿論解らない訳じゃあないよね?」

「真逆、そんな大人気ない事はしませんよ」

再び険悪になる二人に、希が再度また何かを口にしようとした時、小さく溜息を吐いた中也さんが、見兼ねたのか「落ち着け、此れでも見ろ」と携帯端末をこの場の全員に向けて見せた。

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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
- どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年2月15日 19時

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