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・敦視点

「乱歩さんはこの事態が何で起こったのか、大体は推理出来てるんじゃないですか?」

「推理するまでの事でもないだろ。其れに如何せお前の事だから異能特務課に連絡はしてるんでしょ?なら其れで善いじゃないか」

お二人のそんな会話を聞きながら、この人は本当に太宰さんが云っていた通りの、厄介事に巻き込まれる人なのだという事を目の当たりにした。
数日前までは確かに太宰さんより少し身長が小さい位の、面倒見が良くて料理上手な、お兄さんでお母さんみたいな人が、今では小さな子供になって仕舞っている。

鏡花ちゃんが入社する前や、した時から思ってはいたけれど、意外と探偵社の皆さんは子供が好きだというか、小さなものに世話焼きな面がある。

「其れで太宰さん、この後は如何されるんです?」

「中也と異能特務課の連絡待ち。マフィアも如何やら同様の被害が起きているみたいでね。」

「マフィアもなんですか」

「乱歩さんは多分分かってるだろうけれど、Aのあの姿は退行だとか、単なる幼児化って話じゃあ無さそうだ」

「太宰正解。アレは幼少期そのものだよ。」

駄菓子を貪りながら肯定する乱歩さんにつまり如何いう事だと聞けば、「十数年前のAの幼少期そのものの姿」だと太宰さんは云った。

「単なる幼児化であるなら私達の記憶が無いのは納得出来るのだけれど、ある時期の記憶や人間の記憶はきっかりあるから、恐らくはその時期の幼少期の姿が今こうやって現れてるのだと思う」

「ええと、つまり此れは単純な話ではない…というか結構厄介そうですね」

「そうなるねえ。森さんを覚えてる時点で厭な予感はしていたけれど、社長の事も覚えてる時点で殆どが答えだ。
後は中也か、異能特務課から連絡があればほぼ確定だけれど…」

………僕には考えも理解も及ばないが、この二人には大体の解が視えているらしい。
本当に、一体どんな頭脳をしているのだろうと時々恐ろしくなる。

「まあでも、解決自体はしてるとは思うよ。後はお前の頑張り次第だな」

「え〜〜…否、Aなら別に構わないのですけれど、私にも親権という譲れない戦いがありまして」

「太宰さんは一体何と戦ってるんですか?」

「Aの親権について」

駄目だこの人。今回こそは真剣なのかと思ったけれどそうでも無かった。

そんな太宰さんの事は当然ながら全く気付いていない渡瀬さん(小)は、何時の間にか社長の膝の上にちょこんと座るくらいには打ち解けて仕舞っていた。

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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
- どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年2月15日 19時

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