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仕事帰りに少し買い物をして帰っていた時の事だった。
背後からシャッター音の様な音が聞こえた気がして、背後を振り向いたが其処には誰も居ない。
気の所為だったのだろうかと、其の儘気にせず歩き続けていく中、胸の奥が苦しい様な、何かが詰まったかの様な、そんな違和感がした。

何だろう、と俺の頭の中にある医療と看護知識をフル回転させるが、思い当たる症状から原因を考えてみても、よく分からない。
だがしかし、其れから5分後、俺は立つのも辛くなるほどに苦しくなった。

「──……ッ、ッは、は、ひゅ……」

心臓の鼓動が異常な程速い。まるで全力疾走した後かの様に刻み続ける心臓は、最早痛いくらいだった。
酸素を吸って、吐いたりするから口を閉じれなくて、獣の様な荒い息を吐き続ける。
あと少しで自分の家で、よろよろと歩き続ける。人が少ない時間帯で助かった。こんな姿を見られては変に心配を掛けさせる。
何もこんな事になるくらいの事をした覚えはない。何処かが痛いとかそういうのは無く、苦しい感覚がずっと襲ってくる。

やっと家の前に着いて、意識も朦朧とする中、家の鍵を震える手で探して、鞄から抜き取って、手が震えるから鍵も上手く開けられず、やっとの思いで開けた扉は俺は戸締りもする事もせず、倒れこむ様に家に入った。

「……っ、は、はぁ」

玄関の床に其の儘寝転がりたいが、流石に此処では駄目だ。
此れは病院に行くべきか。やっとの思いで着いた茶の間に倒れ込めば、其処からはもう起き上がれなくなった。
嫌な汗が身体中から噴き出す。ポケットに仕舞っていた携帯に手を伸ばそうと思った時には、もう意識も体力も限界だった。

(……せめて、連絡だけは…)

看護師であるのに、自分の判断力の遅さに内心嘲笑を漏らす。こんな事ならもう少し早く、病院にでも連絡をするべきだったと。





だが其れは今になって思えば、病院に行っていたとしても、医者もお手上げな案件に、また俺は巻き込まれて仕舞っていたのだから、ある意味良かったのかもしれない。



××××××
以前アンケートを実施しました結果、圧倒的に渡瀬君ショタ化熱望する票があったので、ショタ化編です。ご協力ありがとうございました。

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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
- どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年2月15日 19時

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