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・ドストエフスキー視点
ご飯も食べてAを送っている中、その間に外は冷え切ってしまい、ぶるりとAは身体を震わせた。
もう息が白付き始める頃でしょうか。ロシアではもうこの時期ではかなりの豪雪ですが。
「まだ暖かい方ですよこんなの」
「冬将軍到来するロシアと一緒にしないでくれる…?ロシアは色々桁違いすぎるだろ」
「まあ環境が極限ですしね。」
「その極限状態の中でウォッカを飲む事で身体を暖めようとする部族は格が違うわ」
寒いなあ、と云いながらもAは笑う。
ふと、悪戯心が芽生えて、ぼくの手をそーっとAの首筋にぴたりと当てた。
「ギャーーー!!!??!」
「……色気の無い叫び声ですね」
「俺に色気求めてどうすんの!?ってかドス君冷たっ!?えっ!?マジで冷たい!!」
首筋に当てていた手をAに取られる。
Aの手は暖かった。ぼくの手を暖めるかのようにしてきゅっと両方の手で握られた。
「うっっっわ…マジで冷たい…ドス君は確かに元々体温低そうだとは思ってたけど、寒さも相まってこれなのか…?」
「逆に君は暖かいですね。子供体温ですか?」
「子供体温までは行かねえし!」
じわじわと手が暖められていく感覚に、何だかむず痒くなる。手先が冷え切っていることなんて当たり前だったから、他人の体温にこうして暖められる、というのは余り慣れない。
……悪い気は、しませんが。
「却説、もうそろそろ君の家の近くでしょう。太宰君達が何処にいるか分かりませんし、ぼくは此処でお暇しますね」
「お、おう。帰り1人で大丈夫?」
「大丈夫ですよ。…今日は、有難う御座いました」
ぱっと手を離されて、少し残念に思った。
でも嬉しい誕生日だった。友人と遊べて、何でもない会話をしながら過ごせた1日だったから。
ロシアや組織にいる間には想像も付かない、平凡な時間だった。
踵を返して歩こうとした時、「フェージャ!」と最後に呼ばれる。
「ボルシチ、次に来る時までには作れるように練習しとくからさ、またいつでも来いよ」
何でもないぼくの呟きも、そうやって君は次の約束にしてくれる。
「───ええ、楽しみにしています」
巻き込まない為には関わらない方が一番いいはずであるのに、其れでも君の方から約束を取り付けられては、仕方ないものだと思ってもいいですよね。
×××
文字数制限で昨日の更新では言えませんでしたが、ドス君お誕生日おめでとう。
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零 - 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです! (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです!! (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです! (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか? (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2018年9月28日 16時