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・中也視点
「電話に出ない!!!」
「2分に1回くらいのペースで掛けたらそりゃAも怖がるわ」
「絶ッッッッ対に魔人が釘刺してるのもあるでしょ!!も〜〜〜〜Aどんだけヤバい奴らホイホイなのさ!!」
忌々しそうにする太宰の取り乱した姿に、近くに控えている芥川も目を丸くしている。
何時も底冷えする様な太宰の瞳ばかり見ているからだろう。
「……元々から魔人と通じていたという事はないのですか」
「え?無いよ芥川君。Aの経歴とか本当に真っ白。本当にふっつーの家で普通に育ってきた健康優良児だ。元々から魔人と繋がってたなんて事はない」
「………」
「何も突っ込んでやるな芥川」
初めて同年代での、俺とは違った近しい距離感のAに対しては、太宰はこうだ。何というか、友達を取られそうでついつい嫉妬しまう的な感じのアレだと思う。
そしてその相手が因縁のある魔人だ。まァ、俺が太宰の立場だったら確かに気が気じゃなくなるのも分かる気はするけどな。
「電話越しだけどよ、別に魔人もAをどうこうしようって感じじゃなかったし、本当に純粋に遊んでるだけなんだろうよ」
「そうだ。魔人を消し炭にしよう。」
「京都行こうみたいなノリで物騒な事言うンじゃねえ」
懐から銃をとうとう取り出した太宰を制する。お前は過激派か。否、マフィアにいる時点でブーメランではあるが。
最早何も突っ込まず、只其処に居るみたいな置物と化した芥川は極限まで空気を薄くしていた。関わると面倒になると判断したのだろう。そうだそれで良い。
然し俺も俺で心配ではある。
龍頭抗争時から既にこの横浜に居たらしいあの魔人だ。其奴とAが───
「………まあ、Aなら大丈夫だろ」
俺らの胃袋を掴む様な奴だし。
未だに騒ぐ太宰を黙殺して、途中で筆が止まってしまった報告書に再度俺は向き合った。
「あ、やっと着信止まった。」
「怒涛の着信がやっと止まりましたか」
「ところでドス君、いつの間にそのクレープ…」
「嗚呼、此れは君にですよ。君が電話と睨めっこしてる間に購ってきました」
「知らん間に奢られてる…何これ、何のクレープ?」
「キャビアクレープです」
「キャビアクレープ」
「1つ2,000円オーバーのお高いクレープですよ。さあさあ食べて下さい」
「ドス君が食って」
「まあ遠慮なさらずに」
「俺の庶民メンタル虐めて楽しい!?キャビアクレープなんて高級品食ったら ア゛─────!!!!」
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零 - 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです! (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです!! (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです! (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか? (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2018年9月28日 16時