検索窓
今日:2 hit、昨日:33 hit、合計:1,039,403 hit

14 ページ15

「! 美味え」

「お、本当?良かった。俺から食ってく?って云ったからには頑張って作ったけど」

「あ〜〜〜〜美味しい…此れでまた私頑張れるよ……」

「んな大袈裟な……」

もりもりとまるで小学生の子供のように平らげる2人はこうして見ると年相応のように見える。
とは云っても、おれと同年代なんだろうってくらいにしか分からないし知らないが。
時折見せる、何処か陰が落ちた様な表情に、俺から聞きはしないが、この2人にも色々あるのだろうと思う。

「こういうのがアレだろ、家庭の味とか云うやつだろ」

「中也にしては好い事云うじゃないか。」

「飯は余分に炊いてるからまだあるよ。食う?」

「ん、善いのか?」

「善いよ。寧ろ実家から大量に米届くから俺1人じゃあ消費出来なくてね。お代わりしてくれると有難いよ」

「私食べる!」

「じゃあ俺も」

「はいはい」

未成年なのに既に子供を持った気分である。否、何方かといえば弟か?
最初はお代わりに恥ずかしがっていた太宰君は何処へやらだ。もう慣れたのか、今回は自分からお代わりと云ってきた事に少し頬が緩んだ。
お代わりを持って来ればリスの如く頬に詰め込んで食べる姿に、何故だか餌付けをしている気分になる。

「あ、本当だ。卵混ぜると風味がまろやかになるね」

「まあ此れはお好みだけどな。辛いと思った時にやる位が丁度良いんだと」

「食いすぎだろ太宰」

「五月蝿いなあ久しぶりの渡瀬君のご飯なんだよ。今の内に食べとかないと」

ぎゃいぎゃいと忙しなく食事中でも言い合うこの2人はどうやら仲は悪い様だが、食べる手は止まらないのが地味に嬉しい。
母さんにまたレシピ送ってって云おうかな
どう云う心境の変化だと散々根掘り葉掘り聞かれそうだが。

「ン、美味かった。太宰が絶賛する訳だ」

「お粗末様。褒めて貰えてたとは嬉しいね」

「ふごふごふご!ふご!!」

「食いながら話すンじゃねえよ。後、口汚え罵声を食事中に出すな。黙って食え青鯖」

「なんで中也君分かんの?」




………前言撤回だ。
この2人、実は相当仲良いんじゃないだろうか。


×××××

殿堂入りありがとうございます
評価やコメント等励みになります

15→←13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (759 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1399人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです! (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです!! (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです! (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか? (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年9月28日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。