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・太宰視点
「………ねえ渡瀬君?君確か卵を買いに行っただけなのだよね?如何して隣に、見覚えありまくりの蛞蝓野郎がいるんだい!!」
「なァんでこんな所に居るんだよ手前はよ」
「な、蛞蝓野郎って…」
事は数十分前に遡る。
渡瀬君が「咖喱に、 卵入れて混ぜると風味がまろやかになって、辛さも治るらしいよ。まあ、その友人さんが食べる様な物だと意味ないと思うけど」と云ったのが始まり。
「へえ、混ぜて食べた事なんてないから気になるね」
「やってみる?甘口だけどこれ。……あ、でも卵無いな」
「私が買いに行こうか?」
「良いよ、太宰君お客さんだろ。でもまあ卵無いと困るからついでに買って来るよ。直ぐ近くのとこで買うから待ってて」
……なーんて、普通に見送っちゃったのが失敗だった。
引き留めておけばよかったとあれほど後悔した事はない。真逆、外に出て中也とエンカウントするなんて思う?何なの渡瀬君マフィア吸引機か何かなの?
「ええと、2人は知り合い?」
「知らないね、こーんなチビで蛞蝓で帽子のセンスが悪い男の事なんて!」
「あァ!?第一手前は何呑気に一般人の家に上がり込んで寛いでンだ!!如何言う経緯でそうなったんだよ!!」
「中也には関係ありませ〜〜んほら帰った帰った」
しっしっと追い払う様な仕草をすれば、中也の顔面に青筋が浮かび上がる。
其れを見た渡瀬君が、「ええと、中也君で良いのかな」と言えば「……ンだよ」とぶっきら棒に返事をする中也。
「今ご飯作ってたんだけど、中也君も食べてく?」
「はぁ!?渡瀬君ちょっと!!」
「知り合いだが何だか知らないけど、どうせ此処まで来たなら食べて行くのもいいでしょ。」
「…見ず知らずの人間にかァ?」
「中也君結構食べそうだよね。何ならお好みでカツもつけるよ」
「話聞けよ。……食ってく」
カツに釣られたのか、何の他意も含まない渡瀬君の態度に気が抜けたのか、何方かは分からないけれど結局食べていくことになった中也。
色々言いたいこともあるし突っ込みたいけど、カツって何それずるい。私も食べたい。
「渡瀬君私も!中也より大きいカツで!」
「太宰君卵もカツもとか欲張りだなぁ」
「(太宰のクソ野郎をあしらってやがる…)」
中也から白い目で見られているのは黙殺しておいた。というか中也の存在を無視した。
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零 - 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです! (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです!! (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです! (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか? (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2018年9月28日 16時