勝負 *メロ ページ20
今日は久しぶりに秋田から東京に遊びに来て、今は兄弟の家に来ている。
「メロさーん、このゲームに負けた方が勝った方のお願い1個聞くんだからね!」
ニコニコしながら俺にそう言ってくるこのチビ助は俺のゲーム仲間であるあの兄弟の妹。兄貴達に身長吸われたんじゃないか、と思う程のチビである。
こいつは俺が遊びに来る度こうやって勝負を仕掛けてくる。
数年前から始まったこの勝負はこれまでほとんど俺が勝っていて、やれビール大量に買ってこいだの、やれ兄貴達にイタズラして来いだのと色々こき使って遊んでいた。
俺の調子が悪くて何回か負けたことはあるが、Aはカフェに一緒に行こうだのショッピングに付き合ってくれだの、俺としてはなんの苦でもない内容ばかりであった。
「今日の私はこれまでと違うんだからね!!メロさんなんかすぐ倒しちゃうんだから!!」
そう息巻くAはいつもより気合いが入っているようだ。だが俺もこのゲームは得意。負ける気は一切しない。
メ「へいへい、せいぜい頑張ってくださいな〜」
…そう余裕ぶっこいてられたのははじめの方だけ。ちょ、は?何こいつなんでこんな強いわけ?!
メ「ちょ、な、お前強すぎだろ!」
「ふふーん、今日だけは絶対勝つんだもん!」
メ「いやまだまだ!」
途中で兄弟はおついちを迎えにいくからと家を出て行ったが、Aはかなり集中していてそれすら気づいていなかった。
そのまま戦況は変わらずゲーム終了。結果は俺の完敗であった。
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作者名:shirö | 作成日時:2018年7月9日 23時