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あれはもう10年ほど前、私と弟者が高校1年生の時のことだった。
その日は「午後から雨が降るみたいよ」と母に言われ、傘を持って家を出た。
入学した時から席が隣で仲の良かった弟者と休み時間にたわいもない話をして、授業を受けて。
そして母の言った通り、お昼の授業が始まる前に突然雨が降り出した。しかも結構な勢いで。
弟「やっべ、俺傘忘れた！」
「そうなの？傘入ってく？この雨で部活も休みになりそうだし」
弟「んー、いや、今日は確か兄貴が大学休みだから連絡して持ってきてもらうわ。行きたいところあるし。」
「そっか、いいお兄さんだね」
そんな話をしながら、私たちは次の授業の教室へと向かった。
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放課後すぐ、弟者は「ほんじゃぁ、またなっ！」と言いながら走って教室を出て行った。すごい急いでたな、新しいゲームの発売日なのかな…
そう思いながら、私も帰ろうと昇降口に向かった。
しかし…
「あれ、ない、私の傘…」
今朝の晴れ具合から傘を持ってこなかった人が盗っていったのだろうか。
盗られやすいビニール傘じゃなくて、自分のだとすぐに分かる傘にしとけばよかった…
盗った誰かと朝の自分をうらみながら、まあ走って帰れば大丈夫だよね、と鞄を抱えて走り出す。
走れば大丈夫…なわけもなく、昇降口を出てすぐに冷たい雨が私を襲う。家までは歩いて15分ほど。風邪ひくかもな、なんて思いつつ家に向かって走り出す。
コンビニで傘を買うという選択肢は、財布を家に置いてきた私にはなかった。
夢中になって走っていると、人通りの少ない通学路を青い傘を持った人が前を歩いているのが見えてきた。だんだんと距離は近くなって、背が高い人だなあ、なんて思いながら追い越すと、突然「おい」と声をかけられた。
「え、わ、私ですか？」
振り返るとその人は180cmを超えてそうな男の人で、でも傘と強い雨のせいで顔が見えなかった。
?「そう、お前。」
私に向けられたその声は低く、どこか色気のあるものだった。
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スネゾカペ - 完結((´；ω；｀))とってもいいお話でした...！苺さんの新作まってます(書ける時間があればの話ですが...) (2018年8月7日 9時) (
レス) id: 0af73918fb (このIDを非表示/違反報告)
苺。(プロフ) - スネゾカペさん» ありがとうございます( ´ω` )/本編は終わりましたが、また別のお話でもよろしくお願い致します！ (2018年8月7日 1時) (レス) id: bced30bcc8 (このIDを非表示/違反報告)
スネゾカペ - 更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年8月6日 1時) (レス) id: 0af73918fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺。 | 作成日時：2018年7月9日 8時
