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「ごっ、ごめん。あーーえっと、他に痛むところとかない！？」
「え？あ、うん、大丈夫……ありがとう」
本当は、ちょっと手首が痛むけど。多分勢いよく尻もちをついて、その時に手もついたから痛むだけでそのうち治ると思うし。
これ以上徹の練習時間を減らすわけにはいかない。
バレないように手を背中の方にやって立ち上がる。幸い徹は顔を逸らしていたので気がついていなかった。
歩き出すと徹が後ろに着いてくるので、さりげなく手を前にやる。
「Aちゃん」
「！な、なに」
「ごめんね」
ついドキッとしてしまったが、徹が発した言葉は予想していたものとは違い、「え？」と間抜けた声がでる。徹は顔を歪めて、少し高いところから私を見つめる。
「いっぱい我慢させてたのに、気づけなくてごめん。あの後岩ちゃんから話聞いて初めて知って、ずっと謝りたかった。でもAちゃんは俺に会いたくないと思って、」
そういえば、あの泣きじゃくった日、女友達に連絡をする勇気がなくて、でも誰かにわかって欲しくてはじめに連絡をした。長々と文字を打って、迷惑なのをわかっていた上で。
はじめは私も気持ちをちゃんと伝えるべきだったことと、気づけずに彼女が嫌がるようなことをする徹に否があると言ってくれた。それだけで心が救われた。
あの時のこと、口を開いたら余計なことまで口走ってしまいそうで、黙っていようと思ったのに最後の言葉はスルーできなかった。
「会いたくなかったわけないよ」
「！……Aちゃ、」
「でも会いたくなっちゃうから、予定より早く引っ越したの。だから、もうこの話はやめに……ねぇなんで笑ってるの？」
「えっ、俺笑ってた？！」
徹は慌てて口元を隠す。たしかに笑ってた。目は真剣に私を見つめているのに、口元だけはにやけて、今もなんか嬉しそうに笑ってるし。
「ごめん違う……くはないんだけど、Aちゃんに嫌われてないのが嬉しくて。ごめん」
徹は両手で顔を覆う。そんなことを言われると、私まで何だか笑いそうになってしまう。
「何それ。嫌いになるわけないじゃん」
「だ、だって、LIMEも消えてたし、」
「あー……それ機種変したら消えちゃったんだよね」
「え、じゃあ岩ちゃんは！？」
「電話番号から追加した。けど徹の番号なんて知らなかったし」
「そん……そんなことある？」
徹は全身の力が抜けたように、ずるりとその場にしゃがみ込んだ。
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きゃーぽん(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、すーっごく面白いです！更新頑張ってください！^_^ (2022年6月5日 0時) (
レス) @page50 id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
青春の餌(プロフ) - 佐野さん» わーーんありがとうございます;私の中で傑作になる予定なのでぜひこれからもよろしくお願いします！！！(大嘘) (2022年5月6日 19時) (レス) id: 08381ab857 (このIDを非表示/違反報告)
青春の餌(プロフ) - かわあいさん» 気づくの遅くなって大変申し訳ないです；ありがとうございます！ぜひ飽きずにみてほしいです； (2022年5月6日 19時) (レス) id: 08381ab857 (このIDを非表示/違反報告)
佐野(プロフ) - 更新楽しみにしてます〜！ (2022年5月5日 20時) (レス) @page48 id: c029f451b1 (このIDを非表示/違反報告)
かわあい - 更新楽しみにして待ってます！ (2022年4月22日 21時) (レス) @page27 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青春の餌 | 作成日時：2022年4月2日 12時
