【ポケモン】熱いバトルは嫌いじゃないよ！2 (ページ8)

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56話~やっとフェリー到着~ ページ8

　

ﾌﾞｫｰｰｰ

　

　

地平線の向こうから徐々に見えてきた船から低い音が聞こえてくる

　
……あぁ、漸く来たんだね

　

　

　

「あの船だ！あの船にレジェンドがいるらしいぜ！」

　

「俺、グリーンさんにサインしてもらう！！」
　

「あっなら俺はAちゃんに手ぇ握ってもらっ((ゲン「弁えなよ、君」………えっダレ？？」

　

　

咄嗟に動いた体

　

下心丸出しで下卑た笑みを浮かべる男の肩を掴んだ手は

平和的思考に基づく私の意思とは相反し、段々と握る力が強くなっていく

　

　

　

ﾐｼﾐｼ…ﾐｼｯ

　

「いっ……でっ！！痛いっつの！！！なんだよアンタ！」

　

ゲン「ふふふっ……何なんだろうね…」

　
「はぁ！？」

　

　

　

ゲン「下品な思考が浮かんだ下卑た顔であの子に近付かないで貰いたいな、なんだったら見て欲しくもない

　
でもあの子は優し過ぎるからどうするかは本人の意思だと言って私を叱るだろうな

　

………そんな優しさがいじらしくて可愛いと思わないかい？」

　

　

「は、はぁ……？」

　

「オイこいつやべぇよ……い、行こうぜ」

　
「チッ……顔覚えたからな！」

　

　

男二人は顔を青くすると、私の手を無理矢理振りほどいて駆け足でこの場から立ち去った

　
人混みが多く騒音も沢山だ

　

そんな中人が二人や三人居なくなったって誰も気づかないし気にしない

　

　

あの子は喧嘩や言い合いが嫌いだから極力穏やかにいるつもりではあるんだが

　

矢張りあーいう輩が出ると別だ

　

バレなければいいし、バレたとしてもAは押しに弱い気弱なところがあるからね

どうやったって言いくるめられる

　

　

ルカリオ「アゥガッガルゥ！」

　

ゲン「ごめんごめん、大丈夫だよ」

　

　

　
　

　

　

「おーーーい！！！ししょーーーー！！！！」

　

　

ゲン「！……あははっどうやら待ち遠しかったのは、案外私達だけじゃなかったみたいだね」

ルカリオ「アォンッ！」
　

　

　

「ししょーーー！！ルカリオさーんーー！！！」

　

「ゲンさん来たぜーーー！！！」

　

　

　

考えに耽っていたらいつの間にかフェリーが停まり、我が愛弟子とその友人達が大勢の人混みの中を掻き分けて走ってきている

　

申し訳程度の変装だけど

　
画面の向こうの存在としか知らない人は早々気付かないようだ