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食事が終わり、家に帰ってきた。
帰ってきても尚、健の機嫌は悪いままだ。
『ちょっと、そんなことで怒らないでよ』
ソファに座る彼の隣に、自分も座る。
「そんなこと?あれは倫也も悪い」
『別に倫也さん、そんなつもりで言ったんじゃないでしょ?』
「どんなつもりだろうと関係ない」
呆れた私は、小さくため息をついて風呂に入った。
・
風呂から出ると、健はゲームの真っ最中。
まだ機嫌直らないのかな。
『私明日雑誌の撮影あるから寝るね』
「…」
話しかけても無視。
気にせず私は布団に入った。
1時間くらいたっただろうか。
何故か今夜は寝付けなくて、布団の中でもぞもぞしていた。
すると部屋の扉が開く音がして、何となく私は寝たフリをする。
『……?』
大人しく布団にくるまっていると、健が入ってきた。
「…A寝た?」
話しかけられたが、とりあえず寝ていることにしてみた。
無視していると、健の腕が私の腰に回され、ぎゅっと抱き締められた。
「A大好き…おやすみ。」
彼に気付かれないように小さく笑い、私も眠りについた。
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作者名:すずりょ | 作成日時:2020年5月12日 17時