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「何にする?」
「う〜ん…」
おばさんの問いかけに、唸りながら隆之介は考える。
「Aちゃんはよくナポリタン食べてたよね!それでいっつもカウンターの端に座って何か考えて…。」
『おばさん、よく覚えてますね(笑)ナポリタン、懐かしいなあ。私ナポリタンで!』
「そうなんだ!Aナポリタンかあ…。じゃあ俺はオムライスかな!」
「はいよ!少し待っててね」
注文を済ませ、んーっと伸びをした。
店内を見渡して、当時のことを思い出す。
椅子とテーブルの配置とか、食器棚の年季の感じとか、変わってないなあ。
「そういえば、急に帰ってきて、何かあったの?」
『ああ、今日隆之介の誕生日なんです。私何も知らされないで地元に連れてこられたの!』
「あら、そうだったの!じゃあデザートサービスするよ!…となると2人は付き合ってるのかい?」
ニヤニヤしながらおばさんが目配せしてきた。
『親友、かな?幼馴染だから!隆之介もここに住んでたんですよ!』
「あれ!そうなの?1回も連れてこなかったから知らなかったよ!」
『何となくここは、私の秘密基地みたいな感覚だったから(笑)』
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作者名:すずりょ | 作成日時:2020年5月12日 17時