72.義理堅い方のヤンキー ページ32
＊＊＊
Aの死は実感が沸かなかった。
ナオト曰く、拳銃でこめかみを一発。現場に残っていた拳銃からは、Aの指紋しか検出されなかったため、自ら命を断ったと思われるそう。
10月20日、Aの死を憂いながらも、今度はドラケンに会いに行く。
ナオトに連れられやって来たのは、大きな施設。
「ココ拘置所だろ？ こんな
武道は面会室のパイプ椅子に座らされた。
ナオトは、入り口の扉にもたれかかっている。
「調べたんですが……(名字) Aと同様に、今の東卍に龍宮寺 堅は存在していませんでした。
かといって死亡した記録も、裏社会に存在する情報もない。
……捜してもいないワケです」
窓ガラスを挟んだ向こう側に、長身の男が入って来た。こめかみには、見覚えのある龍の刺青がある。
「龍宮寺 堅は今、死刑囚なんです」
手首には手錠が嵌められ、スキンヘッドだったが、目の前の死刑囚は間違いなくドラケンだった。高い身長も、龍の刺青も、顔立ちも、12年前のドラケンと合致している。
ドラケンは武道を一瞥すると、向かいのパイプ椅子に座った。
「久しぶりだな、“タケミっち”。
無事で良かった」
ドラケンは微かに笑った。
武道の目尻には涙が溜まった。前回のループ時では死んでいたため、現代のドラケンを目にするのは初めてだ。
ドラケンの風格に、ナオトは息を呑んだ。
「ドラケン君っ」
「……初めまして、橘 直人です」
「コイツのおかげで面会できたんです。一ヶ月くらい前、A君にも、会えました」
Aに会った、ということを聞くと、ドラケンの眉が少しだけ動いた。
「……そっか。で、用は？」
「オレ……知らなくて。ドラケン君が殺人を犯して死刑囚だって……。
何があったんですか？
なんでドラケン君が殺人なんか……。
東卍はどうなっちまったんですか？」
武道は乞うようにドラケンに問うた。
ドラケンの表情はあまり変わらなかった。
「……タケミっち」
意を決したように、ドラケンは口を開いた。
「オレは自分のした事を後悔してねぇ。
ここにいるのも当然の報いだ」
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わがはい(プロフ) - りなさん» そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます。励みになります！ ご指摘ありがとうございます。名前の変換修正いたしました。 (2022年4月20日 15時) (
レス) id: fe7c1fcf9f (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - すごく面白いです✨更新これからも楽しみにしてます💕あと名前の変換ができてないです…😢 (2022年4月20日 9時) (レス) @page2 id: 047ec70aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わがはい | 作成日時：2022年4月19日 19時
