初めての一目惚れ【及川徹】 (ページ36)

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それから数日後、

春高予選が始まり一日目は平日で行けなくて、

及川さんから休憩中に来た

一回戦勝ったよ

の連絡でほっと胸を撫で下ろす。

明日は土曜日で学校がいないから応援に行ける。

『おめでとうございます。
明日行きますね、頑張ってくださいっと』

及川さんが試合してるとこ私も観たかったな

なんて思いながら返信してから携帯を閉じれば

すぐに電話がかかってくる。

『もしもし？』

「あ、A？いま少しだけ話せる？」

『5分くらいなら大丈夫です』

時計を確認して廊下に出れば

「はー、やっと声聞けた」

声からして言いながら多分伸びでもしてるんだろう。

無性に声聞きたくなっちゃってさ

と言葉を続ける及川さんに

『わたしも聞きたかったです』

「そう言われると会いたくなっちゃうね」

そんなのわたしも一緒だと言いたいけど

そういえば彼は絶対に来るだろうし、

試合前日だからそれは避けたいところ。

『試合どうでした？』

話を逸らせたのか、

及川さんは今日した試合の内容を話してくれる。

それからすぐにチャイムも鳴り、

及川さんとの電話も終わる。

…全国行けますように

何もできないわたしは
ただただ祈ることしかできないし

及川さんを信じるしかない。

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