初めての一目惚れ【及川徹】

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結果は、及川さんのいるチームの負けだったけど

バレーをしている及川さんは
すごくすごくカッコよかった。



サーブもトスもすごくて、

ここまで出来るようになるのは
相当な努力と時間と根性が必要だったと思う。




普段とは違う雰囲気で、
一心不乱にプレイする及川さんは
本当に輝いて見えた。




試合が終わり、
悔しそうにスタンドに挨拶する及川さんの表情を見て

心が痛くなったと同時に涙が少し出て、

観客をここまで熱くする試合ができる
及川さんは本当にすごい…




それから閉会式もしっかり見届けて

化粧直しにお手洗いへ向かえば

さっき及川さんに声援を送っていた人たちが数名いた




化粧を直しながら聞こえて来るのは、
耳を疑うような内容で



「なんか呆気なく負けちゃったねぇ」

「それ思った〜。
なんか天才とか言われてるし勝つと思ってた」


「負けるとこ見るとちょっと幻滅しちゃう」





天才・幻滅 その言葉が一番嫌い。




「なんか私ファン辞めちゃうかも」


やっぱり及川さんのことだ。



そのまま彼女たちは化粧直しが終わったのか出て行き


気がつけば私も出て、


『さっきから聞いていればその言葉、
おかしくないですか？』



初めて人に喧嘩を売ったと思う。



だけどこのままじゃ
及川さんが報われないと思ったから。



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