元彼と結婚しました【五条悟】２ -完結-

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「やっぱり…わたしの、こと覚えてますよね？」
　


もちろん別れてから１度も忘れたことはないし
　

あそこまで好きだった人を、

大切にした人を、

忘れられるわけがなかった。



『もちろん、覚えてるよ。

僕らが学生の頃、付き合ってた』

　

と言えばAは安心したような表情をしていて

　

『ちなみに僕は、

お見合いする前から気づいてたけどね』

　

見合い前から写真は見ていたし、

何よりもあの見合い交渉をしたのは僕だから


と言いたい気持ちを抑えて、
　


『それは内緒』



と隠し、Aをシャワールームへと押し込む。

　

『なに？一緒に入る？』
　


あまりにも僕の顔を見つめてくるから

茶化すように言えば
　


「…入りますか？」
　


想像以上の反撃に

こっちはギリギリの理性で保ってるのに

人の気持ちを知らずに…とデコピンをかまして

ドアを閉める。
　
　


Aがシャワーを浴びている間に

伊地知へと連絡を入れ、

　

“ 五条さん！勝手にいなくなられては困ります！ “
　


『ちゃんと任務は終わらせたし〜

明日の朝、僕はそのまま出張先へ行くから

Aの迎え頼むね』
　


“ Aさんはご無事でしたか！？ “

　

『変なやつと一緒にいたけど、どっか消えた』

　

“ 消えたって…まさか消したんじゃないですよね “
　


『そんなことするわけないでしょ、

まあ消しかけたけどさ。
　

ちなみに場所はえっと〜なんて名前だっけ』

　


部屋を見渡し、

ホテル名を書いてるものを探して伊地知に伝えると


検索をしたのかすぐに喚き出す。

　

“ せめて泊まるなら普通のホテルに行ってください “
　

　
『言っとくけど僕らは夫婦だからね。


することするし、どこのホテルも一緒。

まあとにかく明日１０時に迎えよろしく』

　

伊地知の戸惑う声が聞こえながらも

電話を切ってポケットに手を入れる。

　
　


それからまた別の人間から電話がかかってきて

適当に話をしていればAが出てきたらしく

髪の毛を乾かしておいでと耳打ちすると

頷いてまた戻っていく。
　
　


Aとの時間を優先したくて、

どうでもいい電話を切ると彼女の後を追いかけた。

　



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