41 ページ41
・
それからあっという間に月日が経ち
私たちが夫婦になってから数ヶ月が経った。
あれから対して何も変わってないし
虎杖くん達が泊まりにきた以降、
一緒に寝ることも
手を繋ぐことすらしていない。
だから、悟さんとの関係ももちろんそのまま。
そんなことを考えてると
ふいに名前を呼ばれる。
「来週の金曜日の夜、時間ある？」
『金曜日って…何日でしたっけ』
携帯のカレンダーを開けば、
その日はわたしの誕生日で
偶然なのか必然なのかわからないけど
笑顔で即答する。
『空いてます！』
「仕事が終わる頃に僕が迎えに行くから」
『なら、その日絶対に残業しないようにしますね』
その日の夜、考えるのはもちろん
お出かけする日の服装。
『…何か違う』
異性と出かける時どんな服着ていけばいいんだっけ…
そう思いながらクローゼットからたくさんの服を
取り出すと目についたのは
悟さんが買ってきてくれたワンピース。
季節的にも着れるし、
何よりも悟さんが可愛いって言ってくれた服。
『うん、これにしよう』
その日からずっと楽しみにして、
仕事も調節しながら
待ち遠しかった日がついに来て、
約束通り仕事も定時で終えると
悟さんから不在着信が入っていた。
もう着いたのかな、
地下の駐車場であたりを見渡しても
悟さんの車は見当たらなくて
不思議に思いながらも携帯を耳に当てる。
『あ、すみません。
電話出られなくて…、
今、終わりました』
“ A、本当にごめん “
その瞬間、察するのは急用が入ったこと。
“ ちょっと僕が行かなきゃいけない仕事があって、
そのまま土日は出張になりそう “
『わかりました…
今日１時間だけ外出てもいいですか…？
何かあったらすぐ連絡しますし、
終われば伊地知さんに迎えに来てもらいます』
“ 何かあれば絶対に伊地知か僕に連絡すること
それだけは約束して “
その言葉に返事をしてわたしは外へと出る。
どうしても行きたいところ、
それは悟さんと私が出会った場所。
長い階段を上り、
ここに来るのは多分数ヶ月ぶり。
神社の鳥居を潜って、
後ろを振り返れば知る人ぞ知る絶景がある。
そのまま奥に進んでいくと、
小さな小屋の近くに座り込んだ。
ここが、私たちの始まりの場所で
別れてからも何度か来ている思い出の場所。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1507人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もも(プロフ) - こんにちは。スピンオフのお知らせ拝見しました。是非拝見しましたので、パスワード教えて頂けますでしょうか。お願いします (2021年1月29日 16時) (
レス) id: 18c17e118b (このIDを非表示/違反報告)
mai(プロフ) - milyyさん» こんにちは、はじめまして！素敵なコメントありがとうございます。今週末に完結予定なのでお時間のある際に見ていただけたら嬉しいです！また続編でもお会いできますように (2021年1月29日 15時) (レス) id: dbb7e95a8d (このIDを非表示/違反報告)
milyy(プロフ) - こんにちは。初めまして。この作品、とても好きです！！何かこう、言い表せない感じのもどかしさや切なさがあって、素敵です！ 応援してます！ (2021年1月4日 23時) (レス) id: fb7da08eec (このIDを非表示/違反報告)
mai(プロフ) - アネモネさん» コメントありがとうございます！他の作品を読んでくださったなんて…！涙が溢れ出しそうです…。もうそのコメントがわたしの元気と癒しになっています…！この作品を見つけて読んでくださりありがとうございます！また続編でもお会いできますように…！ (2021年1月3日 9時) (レス) id: 43a53e8322 (このIDを非表示/違反報告)
mai(プロフ) - ホログラムさん» コメントありがとうございます！もしかして一気読みしてくださったんですか？！すごくすごく嬉しいです！ホログラムさんのコメントにドキドキニヤニヤしました！この作品を見つけて読んでくださりありがとうございます！続編でもお会いできますように！ (2021年1月3日 9時) (レス) id: 43a53e8322 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mai
| 作成日時：2020年12月23日 10時
