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虚しく電話は通じず、
不在着信の音声が流れ通話を切ると
そのあとすぐに北さんから電話が来た。
『もしもし…』
“ …元気にしとったんか “
『...はい』
“ 嘘つくん下手か。
とにかく声聞けてよかったわ。
ちょうど今練習終わったところで
部員全員いたから電話出られへんかった “
ちゃんと配慮してくれてるんだって思いながら、
久々に聞く北さんの声はどこか怒ってるような
悲しいようなそんな声だった。
『すみません、急にかけてしまって…』
“ 俺が何言いたいか、わかるな? “
その言葉にピンと背筋を伸ばしてしまう。
『…もちろんです。
引き継ぎもせず部活をサボってしまって
本当にすみませんでした』
“ …そんなんどうでもええねん “
そう言われた瞬間、
わたしは反射的に
『え?』
と声に出してしまう。
“ 俺が怒っとんのは、
連絡がつかんかったことや。
心配するやろ。
別に部活のことなんかどうでもええ。
お前のこと心配しとんのや “
その言葉に涙が溢れ出しそうになるのを堪えて
北さんに声をかける。
『…お話があるんですけど、
今お時間大丈夫ですか?』
そう、私はちゃんと言わなきゃいけない。
稲荷崎高校男子バレー部のマネージャーを辞める
って。
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咲夜 - 黒尾さんが好きになるのはとても意外な感じでした!とっても面白いです(*^^*)更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ペコリ (2020年5月10日 14時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mai | 作成日時:2020年5月9日 22時