153 味見 ページ7
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『お邪魔します。』
櫻「どうぞ。」
櫻井さんの部屋は以前来たときと変わらず綺麗。
家具屋のカタログが頭にイメージされる。
『なんだか櫻井さんの部屋に遊びに来たの久しぶりです。』
比較的、中村さんや杉田さんのお部屋にお邪魔したりするのだが櫻井さんの部屋には引っ越した初日に行ったきりだった。
『引っ越した初日にここへ来て...』
｢ああ、そんときは確かこんな風に抱き合ってたっけ？｣
櫻井さんの腕が私の腰を引き、後ろから優しく抱きしめられる。2回目だからか、昔よりは動揺してない自分がいた。
「もう気を失ったりしない？｣
『はは、もう大丈夫ですよ』
「その割には心臓の音がよく聞こえるよ、」
『ぎゃっ、聞かないでください。』
思わず色気のない声が出てしまい慌てて口を塞いだ。そんな私を笑いながら櫻井さんは腕を緩めた。そして私の手を引きながらベッドへと腰掛けた。
｢俺、Aちゃんが心配なんだよ...｣
『急にどうしたんですか、』
｢誰とでもこんなことやってるの？｣
『え？』
突然かけられた言葉に私は何も言えなくなった。
櫻井さんから見る私はそんな女だってこと？
悔しさから涙が出そうになり下唇を噛む。
「あぁ、そんなに悲しい顔をしないで、ごめんね。傷つける意図はないんだよ。」
優しく優しく優しく私の言葉に言葉を重ねた。
そして優しく優しく優しく私を抱き寄せて、
優しく優しく優しく私に囁いてくれる。
「浩史の匂いがするね...お部屋に行った？」
『...なんで神谷さんの匂い知ってるんですか？』
「んー、勘かな？」
『......ずるい。全部全部知ってるくせに』
「全部全部知ってるからだよ。」
櫻井さんは指を私の指とからませる。
中指と薬指につけていてるリングが少し痛かった。
｢俺だったらAちゃんを寂しくしたりしないのに｣
『そんなの嘘、嘘です。皆そう言うけど。寂しくなかったことなんてない。』
櫻井さんの目の奥に写る私は歪んでいた。醜く見えた。
そして今、更に細まった貴方の瞳には私はどう写っているのだろうか。
｢可愛いね、本当に。食べたい。｣
『きっと美味しくないですよ』
「そんなの食べてみないと分からないよ」
またひとつ壊れてしまった。
そんな私を"私"が嘲笑っていた。
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怪盗アイ(プロフ) - ハルさん» 本当に嬉しいです(；；)ありがとうございます！更新頻度はかなり低いですが気長に待ってくださればと思います！ (2022年3月21日 12時) (
レス) id: aedc1f8497 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - こんにちは！初めてコメントします！！怪盗アイさんの作品どれも大好きです！これからもこの小説応援しています！！更新楽しみにしています！ (2022年3月16日 21時) (レス) id: 7e07349c9e (このIDを非表示/違反報告)
怪盗アイ(プロフ) - アオイさん» アオイさん、コメントありがとうございます。現在最新話の執筆に向けて前のお話の修正から進めております。またプライベートの兼ね合いがある故もう少し更新にお時間がかかってしまうかもしれません。しばしお待ちいただければありがたいです。 (2022年1月4日 12時) (レス) id: aedc1f8497 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 早く続き読みたいです！アイさんの小説ホント好きです〜！ (2022年1月4日 10時) (レス) id: b03123f166 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 早く続き読みたいです！！アイさんのペースで頑張ってください！(いつも仕事の励みになってます！) (2021年12月28日 12時) (レス) @page8 id: dc664a3ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怪盗アイ | 作成日時：2020年12月6日 2時
