161 悲劇のヒーロー ページ16
下野side
Aがキッチンで泣いていた。1人で、声もあげず。
彼女はいつも悩みを抱え込む。
普段は明るく、何だって話してくれるのに。
皆に弱みを見せたくないならば、俺だけには見せて欲しい、そう伝えたのに。
俺はそれほど頼りないように見えるのだろうか。
「A、どうしたの？」
俺はキッチンに入り後ろから声をかけた。
涙が溢れた顔をあげたAは俺を見ると不思議そうな顔をしていた。
『下野さん？』
「そんな目を涙でいっぱいにし...え。」
彼女の手元を見ると刻まれた玉ねぎがあった。
少し離れていても目がヒリヒリするほどの量だった。
...確かに、今日の夕飯はハンバーグって言ってたな。
『私、玉ねぎに弱すぎてすぐ涙止まらなくなるんです...』
「そっか、玉ねぎか。そっか。キッチンだもんね。そっか。そうだよね。」
『もしかして...』
「あっ、たまねぎは野菜室からすぐに出したあとに調理すればあんまり涙でないよ。」
『...あの、なんかすみません。』
「なんで謝るの！何事もなくて良かったよ。じゃあ。」
俺はそそくさとキッチンを出て、自分の部屋に戻った。
ふぅ。
息を整える。大丈夫だ、現場にいたのはAだけだ。見られていない。
俺はベットの上にある枕を手に取った。そしてそれを顔に当てて叫んだ。
最近、俺の話、シリアスばっかりだったから！
彼女が最近泣いてる話ばっかだったから！
ああああ騙された！そんなの勘違いするだろ！
心の底から心配したのに、こんな仕打ちはあまりに酷いんじゃないか。
俺は一筋の涙をこぼした。
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怪盗アイ(プロフ) - ハルさん» 本当に嬉しいです(；；)ありがとうございます！更新頻度はかなり低いですが気長に待ってくださればと思います！ (2022年3月21日 12時) (
レス) id: aedc1f8497 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - こんにちは！初めてコメントします！！怪盗アイさんの作品どれも大好きです！これからもこの小説応援しています！！更新楽しみにしています！ (2022年3月16日 21時) (レス) id: 7e07349c9e (このIDを非表示/違反報告)
怪盗アイ(プロフ) - アオイさん» アオイさん、コメントありがとうございます。現在最新話の執筆に向けて前のお話の修正から進めております。またプライベートの兼ね合いがある故もう少し更新にお時間がかかってしまうかもしれません。しばしお待ちいただければありがたいです。 (2022年1月4日 12時) (レス) id: aedc1f8497 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 早く続き読みたいです！アイさんの小説ホント好きです〜！ (2022年1月4日 10時) (レス) id: b03123f166 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 早く続き読みたいです！！アイさんのペースで頑張ってください！(いつも仕事の励みになってます！) (2021年12月28日 12時) (レス) @page8 id: dc664a3ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怪盗アイ | 作成日時：2020年12月6日 2時
