ANOTHER5 ページ5
分からない?
だからどうしたの?
あたしは別に分かってもらわなくて結構なんだけど
むしろ分かってもらいしたくなんてない
そんな思いを隠してあたしは笑顔を見せる
『んーそれで?』
「だから、あたし達あんたのこと受け付けられない」
その言葉にチクリと胸が痛んだ
情もなにも持って居なかったけど流石に面と向かって言われたら、あたしだって人間だ傷つく
そして、その言葉を皮切りに女の子達の態度が豹変する
「そう、前から思ってたのよー?」
「あんたに私の好きな人取られたし」
終いには何て理不尽なことを言い出すのだろうか?
「今まで仲良くして来て上げたけどもう無理」
そこで初めてあたしは笑顔を消す
『言いたいことはそれだけ?ならもう帰ってもいい?下らなすぎて萎えるわ』
そう淡々と真顔で告げると怒りを露わにする女達
あぁーめんどくさーい
逃げるが勝ちと思い、あたしは踵を返して扉を開ける
そして階段に足をかけると自分の体が浮いたことに気がつく
タラリと背中に冷たいものが流れるのを感じる
あぁーあ、やらかしたわ
なんて呑気なことを考えながらあたしの体は重力に従って落ちていく
頭を打ち付けてクラクラとする
朦朧とする意識の中、ほくそ笑む女達の顔が見えた
.
10人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:緋泣 | 作成日時:2015年2月11日 22時