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「セルセラ､」
「はい､父上」
入学式の前日の晩御飯を食べた後､親父さんに呼び止められる｡
この国では女性の方が尊重されるけど､よくある英国紳士的な感じで差別とかは無いっぽい｡
「明日は入学式だろう？寮での生活になると聞いたからね､贈り物をしようと思って」
「贈り物､ですか？」
お､wktk
親父さん､ツァルトさんは私が知る中で2番目に紳士な男性です｡
1番？執事長のジェントルさん｡
尚､本名ではないらしい｡
「エヴィニスも贈り物をしたいそうだからね､1度部屋においで」
「はい」
差し出された手を取り歩き出す｡
ｶｧｰｰｰｯ←
生粋の日本人にはかーなーり恥ずい！！
控えめに談笑しながら進んでいくと､夫婦で使っている部屋にいる｡
「エヴィ､入るよ」
ほら！！もう！！！！
こういう不意打ちで渾名呼ぶとかほんとお茶目！！
末永く幸せでいろ！！！
「良い夜ですね､セルセラ」
「はい､良い夜ですね母上」
これはこの国で言うこんばんは｡
こんにちははこんにちは､おはようはおはようなのにね｡
謎だね｡
「セルセラ､今日は私たちから贈り物があります」
「はい」
「まずは私から､毎日身に付けてくれると嬉しいわ」
「…開けても宜しいでしょうか？」
「是非」
膝の上にプレゼントボックス(細長い)を置いて､リボンを解く｡
蓋を取ると､そこには､…えっ短刀やん？？？
「…これは」
「イヴァーヤから､貴女が使いやすそうな物を聞いたの｡それで､あなたの身を守りなさい」
柄の部分を合わせて40cmほどのそれは､鞘はよく見る黒漆では無く､青が強い青緑をしていた｡これ貝かな？
すらりと抜くと､普通の刃から､螺鈿細工が施された刃に変わる｡
えっ？？？？？
えっこれ切れる？？
「魔力が込められているの｡これを造られた方は素晴らしい人格者のようね」
「…私は､魔法は使えません」
「持ち主となった者の本質を見抜き､その質に見合った姿に変わるらしい｡意志を持つ刀か…素晴らしいね｣
なに某日本一慈しい鬼退治？？？←←←
いや､まあ私がそんなに綺麗なわけが無いので多分､セルセラちゃんの本質なんだろうなぁ｡
にしても綺麗ねこれ｡
「私からはこれを」
ツァルトさんから渡されたのは普通よりも少し小さいプレゼントボックス｡
それも開けると､そこには一対のピアス｡
菱形の宝石？の下に､和風なタッセル？が着いてる｡
めっちゃ好き←
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作者名：東の番長第2号 | 作成日時：2020年8月24日 14時
