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「助けて貰った礼を受け取ってはくれないか？」
「…私は騎士を志す者｡当たり前の事をした迄です」
遠回しに断っている目の前の彼､否彼女に口角が上がる｡
グラディウス家｡
バッターリア国が誇る最大の戦力とも呼ばれる一族｡
彼女は本家の者だと父上から聞いた｡
兄･オズワルドも優秀だと聞いたが､彼女はそれを越すほどの鬼才だと聞いた｡
幼い頃から兄の後釜､もしくは何かあった時の為のスペアとして育てられてきたらしい彼女｡
いつからか､自分から知識や技術を取り込み始め､魔法についても力を付け始めた｡
その結果が､先程の短い戦闘なのだろう｡
敵は､彼女に対して魔法を使おうとしていた｡
しかし､彼女は先読みしてそれを阻止しながら物理のみで戦っていた｡
「…では､言い方を変えよう｡治癒魔法を使ってやったんだ｡此方に着いてきてくれるな？」
「ちょ､グルッペン！」
「恩人にそれは無いやろ！？」
「…」
セントラルヘテロクロミアの瞳が俺を見据える｡
瞬間､喉笛辺りに鋒を突き付けられたような感覚が俺を襲った｡
それはその場にいた全員に向けられた殺気｡
「…確かに貴殿は､敬意を向けるべき相手だ｡しかし､あまり浮つくと､首を取らるぞ」
ざわりと､嫌な風が吹き､彼女の髪をたなびかせる｡
近くにいたシャオロンとしんぺい神は､顔を真っ青にさせていた｡
「… zil，」
彼女がなにか呟くと､2人がその場から退けられ､彼女の傍には大きな狼が寄り添っていた｡
コネシマとは違う浅葱色の瞳が静かにこちらを見ていた｡
「私はこれで失礼する｡フューラー殿，貴方に忠告だ｣
ー慢心というものこそ､貴様の命取りになる
そう言って､彼女は狼に跨り去っていった｡
魔法で姿を消しているようで､狼が跳んだ瞬間見えなくなった｡
呆然としていると､肩を殴られる｡
「このッ…1発殴らせろ！！」
「いや､ちゃいますやんちゃいますやん…」
「絶対エペに嫌われたじゃん！どうしてくれんだよ!!｣
「俺､訓練一緒にやったけど､あんなん無かったわ…」
新人組は尻もちをつき､他も顔を真っ青にしたり体を震わせていた｡
そして､一斉に俺に非難の目が向く｡
「…流石に擁護出来ひんよ…」
「俺善意でやっただけなんやけど…最悪やわァ…」
「グルちゃんが悪い｡100%悪い」
口々にそう言われる中､俺の脳裏には彼女の双眸が焼き付いていた｡
鋭く､冷たい刃のような瞳が｡
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東の番長第2号(プロフ) - コメント有難うございます！主人公､かっこいい…？？？頑張っていきたいと思います！！！！ (2020年8月8日 14時) (
レス) id: 4d2a866f52 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - 面白いです！主人公がカッコいい､､、！これからも頑張って下さい！応援してます！ (2020年8月8日 13時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
東の番長第2号(プロフ) - コメント有難うございます！はっ…(゜д゜)そうだったんですね…！30代=アラサーだと思ってました…アドバイスありがとうございます！修正しておきます…！ (2020年8月8日 6時) (レス) id: 4d2a866f52 (このIDを非表示/違反報告)
あららぎ(プロフ) - めっちゃ面白いっすね！時間忘れて読んでしまう……あの、一つ気になったんですが、アラサーは30前なので、36歳はアラフォーかな…と。突然すんません！去ります!! (2020年8月8日 0時) (レス) id: b974365cb5 (このIDを非表示/違反報告)
東の番長第2号(プロフ) - コメントありがとうございます！100文字以内だからいいんですよ(ﾆｯｺﾘ) (2020年8月6日 20時) (レス) id: 4d2a866f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東の番長第2号 | 作成日時：2020年7月21日 15時
