就寝 ページ33
「……はぁーー……」
個室に風呂があるって何？いや幹部の皆様方と一緒じゃないからいいけどさ｡
湯船に顎まで浸かり息を吐く｡
うーんキャパオーバーだし考えたこともなかったな｡
辛いことなんて普通にあるし痛いことだって嫌なことだってあったに決まっている｡
でもそれを誰かに指摘されて､はいそうです､なんて言うのは違うだろう｡
私が選んだ道､私が歩きたいと思った道｡
だからあの時､辛くは無いと言った｡
「…書記長様は気付いておられただろうなあ…」
何となく､えっ？みたいな顔で見られた気がする｡
気付いてない振りは得意だから､何も知らないですーみたいな態度してたけど｡
十分に温まったので､ザパリと湯船から上がり髪の毛の水気をとり体を拭く｡
兄さんのお下がりの寝間着はゆったりしながらも動きやすいのでやはりあの人はそういう所に目敏い｡
私にも分けてくんねぇかな…オカン譲りなんだろうけど｡
「カイリちゃん､ちょっとええかな？」
「！」
タオルドライである程度乾いた髪を雑に纏めてタオルを椅子の背凭れへ掛けてからドアの方へ行く｡
これは…
「申し訳ありませんオスマン様､何かありましたでしょうか」
「あらお風呂上がりやった？ごめんなー」
「いえ､大丈夫です」
ラフな格好のオスマン様がそこには立っていた｡
緩い服でも似合うってイケメンってホント…ほんっとにさあ…
「3泊4日って言うのは知ってるやんな？」
「ぇはい」
「知らんかったかあ…」
「申し訳ございません…」
ひん…ごめんなさい…
「ええのええの。ラスベルト嬢が直接選んだ手前無理やって言うのはまずかったし…気にせんでね」
そう言ってオスマン様はフニフニと私の両頬を摘む｡
ひぃ…何もしてない素肌でごめんなさい…
ﾋｴｴ…と慄いていると､オスマン様はヨシ！と上機嫌になっていて､ぐにーと頬を伸ばして離した｡
「明日は今日より自由にしてな。上司命令」
「へっ……ッ…………ッッッ……わ、かりました」
「間ァ長w」
ゆっくり休んでなーおやすみー､とオスマン様はうふふふと幹部の皆様がいる棟へと消えていく｡
いや仕事しないでいいって何…護衛って何…
「………髪､乾かそ」
とりあえず明日グノシーさんとディルさんに聞こう､そうしよう｡
ちゃんとドライヤーで乾かしてからふかふかのリネンの寝具へ潜り込んだ｡
因みに夜の見回りは婚約者様の護衛の方々がやってくださっています｡
私がいる意味って…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明太子なげっと - あぁ…良いところ？で終わっている…！！ゆっくりでよきなので更新お願いします！待ってます！！ (4月16日 22時) (
レス) @page48 id: 9b9289fd09 (このIDを非表示/違反報告)
東の番長第2号(プロフ) - コメントありがとうございます！リアルが忙しく思うように更新が出来ていませんが､お待ちしていただければ幸いです！ (2022年12月25日 7時) (レス) id: 4d2a866f52 (このIDを非表示/違反報告)
古着 - はぁ…()最高！！更新応援してる！ (2022年12月25日 1時) (レス) @page34 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
おおお - 面白かったです！更新ゆっくりたのしみにしています！ (2021年12月29日 23時) (レス) id: 957fa2aa3d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：東の番長第2号 | 作成日時：2021年3月4日 21時
