厳重注意…? ページ26
「全く…教えを守ることは良い事だが、今回のような事は二度としてはいけないよ」
「…申し訳ありません」
クライスの執務室で、テーブルを挟んで相対するように座った2人。
紅茶を出したクライスは愛娘のまさかの行動に驚くと同時に笑みが抑えられなかった。
何せ、身内以外との関わりを極端に拒んでいた幼い娘がこうも意見するようになったのだから。
「なにか行動を起こす時は必ず誰かに報告すること、いいね」
「はい、父上」
しょんぼりとしながら、後悔はしていない様子の愛娘に今度こそ苦笑いがこぼれる。
この子は昔から頑固で、変なところに真面目で正義感がある子であったな、とクライスは小さい頃のカイリを思い浮かべた。
「それで、最近はどうだい?」
「…へ?」
「仕事、モナルクの手伝いとはまた違うだろ?」
クッキーをひとつ手に取り口に放る。
ぽかんとした様子のカイリは、ほぅ、と肩から力を抜いて強ばっていた顔も少しだけ緩む。
「まあ…大変だけど、楽しいよ」
「それは良かった。ノヴァの部下達とは会ったかい?」
「うん。遊撃部隊の人達は知り合い多いし、結構話せてる、と思う」
お食べ、と勧めたクッキーを愛娘はおずおずと口に含む。
淡い空色の瞳が輝いたのを見て、また今度買ってこようと思った。
「オスマンくん、いや、今の上司はロボロくんだったかな?」
「うん、でももうオスマン様に戻るよ。罰として課された書類を片付けたら戻すって話だったみたい」
「そうかぁ…あの子もそういうリスキーな所変わってないねえ」
「えっオスマン様前からあんななの?」
「おや、気になることが?」
「距離が近いというか、叔母上みたいな距離感…?」
「あー」
今思えば、こうやってカイリと2人きりでお茶会をするのは初めてかもしれない。
ノヴァが軍に入るまでは4人よくでお茶会をしていたし、その後も3人でお茶会をすることも減ってしまっていた。
久々に、家族水入らずというものを体験しているようだ。
「カイリ」
「なぁに、父さん」
きょと、と昔と変わらない表情で首を傾げる愛娘に口元が緩むのを隠さず、きっちりと纏められた髪を崩さないように頭を撫でる。
こんなにも大きくなって、感慨深いものだと、そう思う。
「何かあれば僕に言いなさい。ノヴァやオスマンくんでも良いから、抱え込んではいけないよ」
「!はい、父さん」
恥ずかしげに目を伏せながら口をもにゃもにゃさせる愛娘を思わず抱きしめた。
よし今度は愛息子も誘おう。
お願い事→←激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム
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明太子なげっと - あぁ…良いところ?で終わっている…!!ゆっくりでよきなので更新お願いします!待ってます!! (4月16日 22時) (レス) @page48 id: 9b9289fd09 (このIDを非表示/違反報告)
東の番長第2号(プロフ) - コメントありがとうございます!リアルが忙しく思うように更新が出来ていませんが、お待ちしていただければ幸いです! (2022年12月25日 7時) (レス) id: 4d2a866f52 (このIDを非表示/違反報告)
古着 - はぁ…()最高!!更新応援してる! (2022年12月25日 1時) (レス) @page34 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
おおお - 面白かったです!更新ゆっくりたのしみにしています! (2021年12月29日 23時) (レス) id: 957fa2aa3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東の番長第2号 | 作成日時:2021年3月4日 21時