11話 ページ13
夜叉サイド
結局あの後、何もすることがなく、出陣まで部屋で待機していた。
そして、出陣の時間が近づき、私は戦闘服へと着替え転送装置へと向かう。
長谷部「全員、いるな。では、点呼するぞ」
長谷部「第3部隊隊長 骨喰藤四郎」
骨喰「わかった、指揮をとる」
長谷部「隊員 燭台切光忠」
燭台切「ああ、みんなを支えればいいんだろう？」
長谷部「前田藤四郎」
前田「全力を尽くします！」
長谷部「山姥切長義」
長義「いいのかな？体調の見せ場まで奪ってしまうかもしれない」
長谷部「加州清光」
加州「加州清光、入りまーす」
長谷部「夜叉国広」
夜叉「承知」
長谷部「以上6振りで江戸の記憶、大阪城に出陣だ。
夜叉国広以外は全員50レベルを超えているが、もしもの時は即刻退却するようにと主からの伝達だ」
骨喰「了解した、それでは第三部隊出陣する」
初めての戦場に心踊らせる。やはり、人間やの身を得たとしても私は刀剣なのだな。
何人か話したことの無い刀剣達がいるがまあ、なんとかなるだろう。
そう思い、私は光に包まれながら戦場へと向かった。
骨喰「到着した、各自周囲の警戒を怠らないように。時間遡行軍が出てくるまで待つぞ」
長義「わかったよ。さて、夜叉国広。君はこの部隊の中で一番レベルが低い。むやみに敵に突っ込まないようにね」
夜叉「了解した」
大阪城……初めて見たが立派だな。まあ、"姫"の城より見劣りするが。
1人淡々と大阪城を眺めていると加州殿から話しかけられた。
加州「ねえねえ、ちょっといい？」
夜叉「ああ、どうされた加州殿」
加州「さっきの稽古で出した技、それってあんたの前の主が使ってたの？」
稽古の技、あああれか。あれは、姫が出していた技…前の主が出していた技に該当するな。
私は肯定の意味を込めてコクリと頷く。だが、何やら加州殿は言いたげな顔をして口に手を当てたり、唸ったりしていたがやがて意を決したかのように口を開いた。
加州「あーあのさ。俺の事加州殿じゃなくて清光って呼んでくれない？なんかさ、呼び方がかたっ苦しくて距離を感じるんだよね」
夜叉「そうか。わかった清光殿と呼ばさせてもらう」
清光「うん、よろしく。俺もあんたのこと夜叉って呼ぶね」
夜叉「嗚呼」
などと話していると急に時空が歪み出す。
長義「来るぞ」
さあ、時間遡行軍のお出ましだな。
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作者名：リース | 作成日時：2023年3月23日 21時
