6絵のこと ページ7
朝になった。朝がきた。
目覚めたら自分の世界に戻ってるんじゃないかって、期待してたけどそんなわけなかった。
「マリア様。おはようございます。さて朝食のご用意ができたのでお運びいたします。」
例のメイドである、クロトだ。
どうやらこのお屋敷での朝食は各自の部屋で済ませるらしい。
そして朝食を終えるとクロトが片付けをしながらこう言った。
「そういえば、マリア様。今日はアテナ様がお見えになるようです。またマリア様の絵をお描きになりたいということで。なので早速ご準備を。」
聞いたことない名前。
でも私の絵を描いた人が来るのね。
きっと素敵な人なんだろうな。
私は上機嫌になり支度をはじめた。
クロトが言うにはアテナ様はお屋敷の庭の池で待ち合わせだと言われた。
それにしてもこのお屋敷は広すぎる。
いったいどんだけのお金持ちなのだろう。
庭に出るとアテナ様らしき人が池のベンチに腰を下ろしていた。
サラサラで透き通るような髪。
華奢で高身長。
白い肌。
そして極めつけはあの美形。
まちがないない。
翼だ。
「ねぇ。翼だよね。」
泣きそうになった。
また仲間を見つけた。
純粋にうれしかった。
「えぇ!もしかしてアーヤ!?」
翼はすごいびっくりした顔でこっちを向いた。
「うん。私よ。翼もこっちの世界に来てたのね。」
「そうだよ。それにしてもなんか久しぶりだな。俺、アーヤに会えてホントにうれしい。」
そう言って翼は私に抱きついた。
「えっ。ちょっと、翼っ!?」
「お願い。もう少しこのままでいさせて。」
すごく優しい手だった。
安心するような、なつかしい感じがした。
華奢な身体に見えるけどやっぱり男の子なんだなって思った。
それにしてもこんなことされたらドキドキしちゃうじゃないの。
顔も赤くなるし。
「たっ、翼!そろそろ。」
「あっうん。ごめん。」
そう言って、私から手を離した。
「そっ、そういえばさ、翼はこの世界ではアテナっていう人なの?」
この空気に耐えられなくなって私は話をそらした。
「うんそう。なんか絵の上手い人らしいんだけどね。まぁ俺にかかれば何でも描けるからね。」
た、確かに。
翼は絵もすごく上手なの。
「へぇ。楽しみ。」
「アーヤのこと可愛く描いてあげるよ。」
そう言っていたずらそうに笑う翼はかわいかった。
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book - とても面白く、続きが気になるのですが、 29の、復讐の神の神の字、多分違うと思います。 (2019年11月23日 11時) (レス) id: cbda76f83d (このIDを非表示/違反報告)
ユキノ - 読むの2回目です!これからも無理しない程度に頑張ってください! (2019年1月19日 11時) (レス) id: 65a20c4621 (このIDを非表示/違反報告)
ミミー(プロフ) - エマさん» ありがとうございます!ちょっと、訳あって別の占ツクのページに続きを書いていますので、よかったら読んでください! (2018年1月4日 22時) (レス) id: bbb2e2ea41 (このIDを非表示/違反報告)
エマ(プロフ) - 読んでてすごく楽しくなります!無理しない程度に更新頑張って下さいね☆ (2017年12月15日 20時) (レス) id: aa404fb773 (このIDを非表示/違反報告)
ミミー(プロフ) - 彩華さん» わわわ!ありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです、、、これからもぜひ見てください。 (2017年7月7日 0時) (レス) id: d354405d1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミミー | 作成日時:2016年11月13日 20時