30可能性 ページ30
「とりあえずその割れた写真立て、片付けよう。」
そういって、小塚くんがポケットに入っていた手袋をとりだして、ガラスの破片をひろって、捨ててきてくれた。
「でも、どういうことだ。なんで、アーヤとタナトスが。」
若武が例の紙を見つめていた。
私は薄い青色のドレスで紙をアップに、タナトスも薄い青色のタキシードを着ていた。
2人は笑ってた。
幸せそうだった。
きっと、これを描いた人もいい感じの2人だなとか思ってたんだろうか。
そのぐらい2人は幸せそうだった。
自分なのに他人みたく思える。
すごく怖い。
「これ、絵だな。絵といえば、美門。お前、この絵を描いた覚えはあるのか。」
砂原が若武から絵を取って翼に尋ねた。
「いや、ないね。なにせ、この世界に来て描いた絵は庭で描いたアーヤの自画像、それだけだからね。しかも、それはまだ完成してないんだ。」
「でも、おかしいよね。僕らがこの世界にいるのって2日前でしょ。それなのに、この部屋にあるアーヤの自画像といい、この絵といい、僕らがこの世界に来る以前から存在しいてることになってる。」
小塚くんが破片を捨ててきたらしく手袋をポケットにしまっていた。
「うん、それは俺も疑問に思ってた。だから、俺は3つの可能性を考えた。1つは、たまたまマリアが立花にそっくりだということ。2つ目は偶然マリアが立花に似てたこと。3つ目は、この世界がそう創らせたってこと。」
忍の可能性にはすこし疑問があった。
そう、3つ目の可能性について。
私は気になって聞いてみた。
「つまりだな、都合の良いように世界を創ったて感じだな。さっき、上杉がトラウマをきっかけに他人にも自分と同じ経験をさせるっていってだろ。」
「あぁ、そうだ。あまりに強いトラウマで他人に同じ目に合わせることで自分と同じ境遇のやつを作り出すんだ。」
上杉くんがメガネの縁の部分を上げた。
「そう、きっとタナトスがネメシスのどちらかまたは両方にトラウマを抱えててあの『マリアの瞳』の伝説通りにしようとしてるのかもしれないって感じかな。でも、あくまで可能性だ。」
なるほど。たしかにそういう線もありそう。
「でも、謎は深まったね。」
翼の一言に私は息を飲んだ。
そう、まだ私達はなにも手がかりをつかんでいないのだ。
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book - とても面白く、続きが気になるのですが、 29の、復讐の神の神の字、多分違うと思います。 (2019年11月23日 11時) (レス) id: cbda76f83d (このIDを非表示/違反報告)
ユキノ - 読むの2回目です!これからも無理しない程度に頑張ってください! (2019年1月19日 11時) (レス) id: 65a20c4621 (このIDを非表示/違反報告)
ミミー(プロフ) - エマさん» ありがとうございます!ちょっと、訳あって別の占ツクのページに続きを書いていますので、よかったら読んでください! (2018年1月4日 22時) (レス) id: bbb2e2ea41 (このIDを非表示/違反報告)
エマ(プロフ) - 読んでてすごく楽しくなります!無理しない程度に更新頑張って下さいね☆ (2017年12月15日 20時) (レス) id: aa404fb773 (このIDを非表示/違反報告)
ミミー(プロフ) - 彩華さん» わわわ!ありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです、、、これからもぜひ見てください。 (2017年7月7日 0時) (レス) id: d354405d1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミミー | 作成日時:2016年11月13日 20時