26運命 ページ28
そして、私達は書庫から出てマリアの部屋に戻ろうと、長い廊下を歩いていた。
私の隣には黒木くんが歩いていた。
黒木くんは何か考え事しているらしく、ずっと黙ったままだった。
「黒木くん。大丈夫?元気なさそうだけど。」
「あぁ、ごめん。ちょっとね。」
「考え事?」
「うん、まぁ、そんなところかな。」
何か、いつもの黒木くんらしくなかった。
そうして、私達は部屋に到着して、作戦を立て始めた。
「でもさ、作戦って、何すんの、バカ武。どーせ、ノープランだと思うけどさ。」
上杉くんが呆れたように言う。
まあ、でも、仕方ないよね。ほんとに、手がかりゼロだもん。
「じゃあさ、まず、殺される線からいこうよ。もう一回、少しでも怪しと思われる人とかリストアップしようよ。」
私達は小塚くんの言う通り、リストアップすることにした。
「そういえばさ、アーヤのメイドさん。えっと、クロトだっけ。俺は彼女はグレーだと思う。」
「根拠は?美門。」
上杉くんがつかさずつっこむ。
「まず、彼女はギリシャ神話の中では運命を割り当てる神様となったいる。運命といっても、良い運命もあれば悪い運命もある。もしかしたら、そうなるはずのただの運命かもしれない。仮に彼女が黒だとしたら、何故何の抵抗もなく俺たちを書庫に案内したのはおかしい。明らかに、怪しい本人だからね。まぁ、その本といえば何も手がかりは掴めなかったわけだけど。でも、彼女は白とも黒ともいいきれない。」
「美門の意見には俺も賛成だ。何せ、運命はどうなるか分からないもんだし、割り当てた人にとってはよくても、割り当てられた人にはたまったもんしゃないってこと、絶対あると思うからな。」
そういった、砂原の言葉にはすごく重みがあった。
砂原にはいろいろあったからね。
「よし、意義なしだな。アーヤ、メモだ。」
はいはい、分かってますよ、リーダー。
私はすぐペンをノートに走らせた。
私はチラッと黒木くんの様子を垣間見た。
やっぱり、彼は何か考えてるのかわからないけど黙ったままだった。
どうしたのかな、黒木くん。
「じゃあ、怪しい奴はアイテルの召使いタナトスとドレスの仕立て屋のネメシスだな。」
作戦会議はまだまだながそうだ。
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book - とても面白く、続きが気になるのですが、 29の、復讐の神の神の字、多分違うと思います。 (2019年11月23日 11時) (レス) id: cbda76f83d (このIDを非表示/違反報告)
ユキノ - 読むの2回目です!これからも無理しない程度に頑張ってください! (2019年1月19日 11時) (レス) id: 65a20c4621 (このIDを非表示/違反報告)
ミミー(プロフ) - エマさん» ありがとうございます!ちょっと、訳あって別の占ツクのページに続きを書いていますので、よかったら読んでください! (2018年1月4日 22時) (レス) id: bbb2e2ea41 (このIDを非表示/違反報告)
エマ(プロフ) - 読んでてすごく楽しくなります!無理しない程度に更新頑張って下さいね☆ (2017年12月15日 20時) (レス) id: aa404fb773 (このIDを非表示/違反報告)
ミミー(プロフ) - 彩華さん» わわわ!ありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです、、、これからもぜひ見てください。 (2017年7月7日 0時) (レス) id: d354405d1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミミー | 作成日時:2016年11月13日 20時