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待ちに待ったお昼休みがきた。
早歩きで廊下を歩き、第二校舎に移った。
第二校舎の屋上の階段を上がると立ち入り禁止と書かれていた。
『どうしよう・・・』
扉を開けることに躊躇していると ふわっと 後ろから甘い匂いの手がドアノブを掴み
藤「もしかして開けるの迷ってた?」
いい子ちゃんすぎ って目を細めて笑っている先輩がいた。
・
屋上は意外と広く7月の太陽はギラギラと照っていた。
先輩が屋上の日陰に誘導してくれ立ち入り禁止の場所にある意味のないはずのベンチに一緒に座った。
藤「暑いね」
『はい』
意識すると本当にかっこいいなって・・・
しかも自分の気持ちが藤ヶ谷先輩にあると気づいた今心臓が騒がしい。
藤「昨日、お守りありがとう」
え?昨日確かにお守りとメモを下駄箱に入れたが、メモは
"落ちてました"
とだけしか書いてないのに・・・
そう考えていると、また目を細めて ははっ って笑って
藤「なんで私って分かったの?って思ってたでし
ょ」
『・・・はい』
藤「昨日教室から見えたの。俺窓側の席だから」
『あっそうなんですね、窓側いいですね』
藤「うん(笑)お守り握ってる姿がかわいかっ・・・あっなんでもないよ」
かわい??可愛い?
いやいや・・・それはないよねうん。
それから人見知りの私は
"よく屋上来るんですか"
"今日最高気温知ってますか"
"アイス好きですか"
という謎に変な質問が頭の中をぐるぐるしていたが
発することはできなかった。
しばらく沈黙が続き沈黙を破ったのは先輩だった。
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作者名:そると | 作成日時:2018年8月15日 17時