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「…どうするんですか?」
『どうするも何も、ストーカーを懲らしめる』
さっきの上機嫌はどこへやら。
不機嫌そうに云ったAに戸惑う敦。
なかなか機嫌を悪くする事が無いAの不機嫌な姿に驚くのも無理はない。
「…別に良いんだよ?仕事もあるし、妾は自分で…」
『晶子』
「…嗚呼」
有無を云わせないAのオーラに黙る与謝野。
「…幾つか手はあるけど、どうする?A兄さん」
『…云え、治』
すると太宰は立ち上がり、ホワイトボードに案を書く。
《ストーカー撃退方法》
《一、ストーカーヲ探シ出シ、懲ラシメル》
《二、警察二相談》
《三、与謝野医師ガ引越シ》
《四、恋人ノフリヲスル》
『…二と三は却下。警察に相談して解決するとは思えない。三は、わざわざ晶子が引っ越す必要なんてないだろう』
「だよねェ」
ズバッと云い切ったAに頷きながら太宰は二と三の案を二十線で消す。
「…あ、あの」
『何だ、潤一郎』
「四の恋人ノフリってどういう事なンですか?」
おずおずと手を挙げた谷崎に太宰は云う。
「そのままだよ、探偵社の誰かが与謝野医師の恋人のフリをするんだ」
「それが一番良いのでは…?」
首を傾げて云った敦に太宰は微笑んで「私もそう思っているところだよ」と云った。
『それでいくならまず女性じゃ駄目だし、未成年もアウト』
「となると、残っているのは」
《太宰、国木田、乱歩、A》
ホワイトボードに書かれた名前を見てざわついていた社員が黙る。
『独歩は…女性慣れしてないから無理じゃないか?』
「え」
軽くショックを受けている国木田に気付かずAは続ける。
『治は直ぐ川に行くから駄目。乱歩は…どうだ?』
「…僕?やっても良いけど。いざとなったら守れないよ?僕、頭脳派だから」
「…って事は」
敦の呟きに合わせたかの様に社員全員がAの方を見る。
『…………………ボク?』
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菜月羽(プロフ) - とくさん» 初めまして!貴重なご意見有難う御座います!了解致しました! (2018年3月22日 8時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
とく - 初めまして。イメージ画像は見たい人が見ると言う形にしてもらえませんか? (2018年3月22日 6時) (レス) id: 1a488f8aaa (このIDを非表示/違反報告)
菜月羽(プロフ) - チョコレートさん» 良かったです!有難う御座います!またリクエスト有りましたら何時でも!これからも頑張らせて頂きます! (2018年2月6日 20時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 菜月羽さん» めっちゃ面白かったです!!ありがとうございます!!これからも頑張って下さい!!応援してます! (2018年2月6日 20時) (レス) id: 66cc8ffaf1 (このIDを非表示/違反報告)
菜月羽(プロフ) - チョコレートさん» 有難う御座います!頑張ります!リクエスト了解しました! (2018年2月3日 7時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜月羽 | 作成日時:2017年12月4日 16時