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夢を見た。
二人の青年がコンビを組み、やがて決裂し、そしてまた共闘する夢。
それは正夢か━━━━━━━━━━━━
＊
『…？』
目を開けると真っ白な壁が飛び込んできた。
『…此処は、…ポートマフィアの医務室？』
起き上がろうとすると激しい痛みに襲われ、思わず顔を顰める。
目が慣れるのに時間がかかったが、良く見てみると右目が何かに塞がれているのが分かった。
『…包帯』
そんなに酷い怪我だったか、と記憶を蘇させる。
途切れ途切れだが、確か…
『…中也が汚濁を…』
制御不能となる異能。
痛みに耐えながら取り敢えず起き上がる。するとAの寝ているベッドに顔を伏せている二人の子供が居た。
『…治、中也』
二人の愛しい弟が。
頭を軽く撫でてAは自然と微笑んだ。
二人を育て始めた時は激し過ぎる喧嘩にいささか閉口したものだが、今となってはそんな喧嘩も何故だか愛しいものになっていた。
《A兄さん…御免…謝っても許されないと思うけど、本当に…》
ピタリと、二人を撫でる手が止まる。
強く痛む頭の中で中也の苦しそうな声が反響して消えていった。
『…ボクなら大丈夫、なんだけどな…。やっぱり不安なのか』
よく見てみると、二人の顔には泣き跡が浮かんでいた。
彼らが自分のことを"恩師"と、"家族"と、思っているのかは分からない所だが、もし思ってくれているのならそれは恐怖に近いのかも知れない。
かつて、自分がそうだったように。
短い悲鳴。
赤い鮮血。
自分に必死に話しかける声。
間際に渡してきた形見。
そして、現れた
『…夏目師匠』
ポツリと呟いても誰も返事をする者は居ない。
何処かに居る、何処かで生きている、そう分かっている。
今までは一人でも不安は無かったのに。
『…何だろう。今は不安しか無い』
この二人を育て上げる自信が。
自分が怪我を負って、しかも、二人を泣かせるまで不安にさせて。
『"兄"失格…かな』
同時に、恩師としても。
さっきの夢はまるで嘘のようだ。
きっとあの二人の青年は愛しい弟。
自分が目指す、理想像。
あの夢を正夢にしなくてはならない。
けれど何故だか不安だった。
Aの中の"恩師"は心温めるもの。
自分はそうならなくてはいけない。
そんな存在になれるか。
否。
『…なってやる』
Aの瞳が怪しく輝いた。
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菜月羽(プロフ) - とくさん» 初めまして！貴重なご意見有難う御座います！了解致しました！ (2018年3月22日 8時) (
レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
とく - 初めまして。イメージ画像は見たい人が見ると言う形にしてもらえませんか？ (2018年3月22日 6時) (レス) id: 1a488f8aaa (このIDを非表示/違反報告)
菜月羽(プロフ) - チョコレートさん» 良かったです！有難う御座います！またリクエスト有りましたら何時でも！これからも頑張らせて頂きます！ (2018年2月6日 20時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 菜月羽さん» めっちゃ面白かったです！！ありがとうございます！！これからも頑張って下さい！！応援してます！ (2018年2月6日 20時) (レス) id: 66cc8ffaf1 (このIDを非表示/違反報告)
菜月羽(プロフ) - チョコレートさん» 有難う御座います！頑張ります！リクエスト了解しました！ (2018年2月3日 7時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜月羽 | 作成日時：2017年12月4日 16時
