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それは悲痛な叫び声だった。

中也に比べて、普段から感情を表に出す事が少ない太宰の涙。


『…そっか…治…そんな風に泣くんだな…』


その涙を見てAは優しく微笑んだ。


子供らしい、太宰を見て。



「…」

「戻って来てよ…」



そんな太宰の想いが届いたのか中也の動きがピタリと止まった。そんな事が起きるとは思ってもみなかった太宰は少し困惑する。

『…今だ』

弱々しいけれど、どこか頼もしいAの声を受け、太宰はハッと我に返る。
そして中也に歩み寄った。


「…中也」

「…っは…ゲホッゴホッ」


血を吐いた中也に迷うこと無く歩み寄る太宰。

その背中は何時もより何倍も頼もしかった。


『…やれ、治』


Aが呟いた瞬間に太宰が中也の腕を掴む。途端、中也の腕や顔に現れた赤い紋様が消え、中也は━━━


「…っはゲホッ、俺…?」


「良かった」


『…よくやったよ』


汚濁形態から解放された中也は己の手や足を見て異常が無いか確認し…


「A兄さん、太宰。俺は今…!?」


傷だらけのAを見た。


「中也の汚濁のやつ、真面に食らっちゃったんだよ」

『ボクは…大丈夫…ゲホッゴホッ』

「嘘だろ…?大丈夫じゃあ無ぇだろ!血、吐いてるし…。A兄さん…御免…謝っても許されないと思うけど、本当に…」

『大丈夫…だ。こんな事慣れてる…』



「「A兄さんッ!!」」



体力の限界で倒れ掛けたAを二人が慌てて支える。よく見てみると頭から血が流れていたり、ところどころ血が滲んでいた。

「…あぁ。どうすれば…、俺の、俺のせいでッ!」

「落ち着け!中也!まずは森さんの所に行くのが先。自己嫌悪になるのは後で勝手にどーぞ」


二人でAを両脇から支える。

背の高いAの全ては支えきれず、足を引きずる形で急いで森の所へ運んで行った。






更新遅れて済みません…

*→←汚濁



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菜月羽(プロフ) - とくさん» 初めまして!貴重なご意見有難う御座います!了解致しました! (2018年3月22日 8時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
とく - 初めまして。イメージ画像は見たい人が見ると言う形にしてもらえませんか? (2018年3月22日 6時) (レス) id: 1a488f8aaa (このIDを非表示/違反報告)
菜月羽(プロフ) - チョコレートさん» 良かったです!有難う御座います!またリクエスト有りましたら何時でも!これからも頑張らせて頂きます! (2018年2月6日 20時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 菜月羽さん» めっちゃ面白かったです!!ありがとうございます!!これからも頑張って下さい!!応援してます! (2018年2月6日 20時) (レス) id: 66cc8ffaf1 (このIDを非表示/違反報告)
菜月羽(プロフ) - チョコレートさん» 有難う御座います!頑張ります!リクエスト了解しました! (2018年2月3日 7時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜月羽 | 作成日時:2017年12月4日 16時

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